エンゲージの「ビュー」と「チーム受信箱」の違い
Statusbrewを使っていると、これはどういう機能だったかな?と迷うことがあると思います。なかでも特に混乱しやすい機能に、ビューとチーム受信箱があります。
ビューとチーム受信箱は、どちらもStatusbrewのエンゲージを構成する要素です。多種多様なSNS上の会話を特定の条件で絞り込んで分類し、見やすく、管理しやすくするための受信トレイのような働きをします。一見すると似たように思われるこの2つですが、
ビュー:フィルタリングによって会話を視覚的に整理して表示する、監視や状況を見渡すのに適したスペース
チーム受信箱:ルールエンジンと組み合わせ、チームメンバーやグループに仕事を割振り、管理するのに適したスペース
という違いがあります。
この記事では2つの機能を比較しながら、活用方法についてもご紹介します。
それぞれの特徴
StatusbrewにSNSアカウントを接続すると、エンゲージ受信箱が様々な会話を受信します。ところが、XのDM、TikTokのメンション、英語に中国語のメッセージ……と渾然一体のままでは、業務に支障をきたしてしまいます。
そこで登場するのが、雑然とした会話を整理・管理するためのビューとチーム受信箱です。どちらもエンゲージの左のサイドパネルから作成することができます(それぞれの詳しい作成方法は、こちら:ビュー、チーム受信箱)。

ビュー:特定の会話を集めることができる受信トレイ。視覚的に整理し、監視や状況を見渡すスペースとして機能します。
作成時にフィルタリングが可能で、例えば、Facebookの会話だけが集まるように設定できます。
新規作成されたビューには、条件を満たす会話がすぐに集まります。
チーム受信箱:受信した会話を管理するための受信トレイ。ルールエンジン(特定のタスクを自動化させる仕組み)と組み合わせ、タスクを自動化することによって実務に欠かせない管理スペースとして機能します。
ビューのようにフィルタリングはできず、新規作成されたチーム受信箱に自動で会話が分類されることはありません。手動で会話を移動させるか、またはルールエンジンと組み合わせることによってはじめて会話が自動的に分類され、管理スペースとしての効果を発揮します。
ビューは作成後、すぐに条件に合った会話が集まりますが、チーム受信箱には手動またはルールエンジンを設定しない限り、会話が移動することはありません。コラボレーターが追加されている場合であっても、誰も会話を移動させておらず、ルールエンジンも設定されていなければ、チーム受信箱に会話は入りません。そのため、新規作成時は、上記図のように空(会話がゼロ)の状態です。
一覧表
次に、それぞれの機能を一覧表で比較してみます。
操作や目的 | ビュー | チーム受信箱 |
---|---|---|
作成時のフィルタリング | 〇 | × |
作成時のアクセス共有範囲の設定 | 〇 | × |
作成時のコラボレーターの追加 | × | 〇 |
ルールエンジンによる会話チケットの自動振り分け | × (ルールエンジンとの組合せ不可) | 〇 (手動での移動も可能) |
チームごとの業務分担 | × | 〇 |
監視や言語別の分類の可視化 | 〇 | △ |
担当者への会話アサイン | △ (手動) | 〇 (自動または手動) |
複製 | 〇 | × |
それぞれの機能は下記の通りです。
フィルタリングの設定(ビュー限定):
ネットワーク、言語、センチメントなど、特定の条件を満たすデータに絞り込み、必要な会話だけをそのビューに集めて表示します。
アクセス共有の範囲の設定(ビュー限定):
そのビューにアクセスできる人の範囲を設定できます。①すべてのチームメンバー、②特定のユーザー/ユーザーグループ、③あなたのみ、から選択可能です。
コラボレーターの追加(チーム受信箱限定):
そのチーム受信箱をあなたと一緒に管理するユーザー/ユーザーグループを設定できます。各ユーザー/ユーザーグループには、①返信可能、②閲覧可能、どちらかの権限を付与します。
ルールエンジンによる会話チケットの自動振り分け(チーム受信箱限定):
ルールエンジンで、条件を満たす会話を受信した時、自動でチーム受信箱に振り分けられるよう設定することが可能です。
チームごとの業務分担(チーム受信箱が得意):
業務内容ごとにチーム受信箱をつくり、ルールエンジンで特定の会話を自動で振り分けます。各受信箱にはコラボレーターを追加することができるので、適切なチームメンバーに適切な権限を与えることで、業務分担を明確化できます。
監視や言語別の可視化(ビューが得意):
作成時のフィルターを、言語=英語やセンチメント=ネガティブと設定し、特定の会話を集めることで、監視や状況を俯瞰するスペースとして役立ちます。(チーム受信箱でも可能ですが、ルールエンジンを設定するより、ビューの方がより簡単にスペースを立ち上げることができます)
担当者への会話アサイン(チーム受信箱が得意):
特定の条件を満たす会話を受信すると、チーム受信箱へ振り分けると同時に、特定のユーザー/ユーザーグループに会話をアサインすることも自動化できます。(一方、ビューは右側の会話詳細パネルより手動でアサインする必要があります)
複製(ビューのみ可能):
左サイドパネルにある複製したいビューにカーソルを合わせ、をクリック > 複製をクリック > ビューがコピーされます。チーム受信箱はルールエンジンと組み合わせるという複雑性から、複製はできません。また、どちらも削除可能ですが、一度削除したビュー/チーム受信箱の復元はできません。
使用例
ビューとチーム受信箱は、会話を監視・俯瞰したいのか(ビュー)、それとも会話に対応・管理したいのか(チーム受信箱)、それぞれの目的によって使い分けるのが理想的です。
チーム受信箱は、権限を持つコラボレーターを追加でき、アサインもルールエンジンで自動化できるように、業務内容ごとに顧客対応を行う実用的なスペースとして機能し、責任の所在も明確にできます。
一方、ビューはフィルタリングにより会話を整理整頓された状態で表示してくれます。手動で会話をアサインすることは可能ですが、チーム受信箱よりシンプルに、監視する・状況を俯瞰することに適しています。
Case1 ビューで言語別に炎上リスクを監視する
「炎上リスク監視」というビューを作ります。
フィルターで、①センチメント > ネガティブを設定、②使用言語 > 英語を選択し、危機管理部門とアクセス権を共有します。
これにより、ネガティブで、かつ英語の会話を仕分けして表示するビューができました。他の会話に埋もれることなく、目的とする会話だけを視覚化できるので、英語での炎上リスクを素早く察知することが可能です。
必要に応じて、会話を適任者へアサインしたり、自ら顧客へ返信することも可能ですが、手動で行う必要があります。そのため、実際の対応はチーム受信箱で対応することをお勧めします。
ビューは会話の仕分けに有効です。英語以外にも韓国語、スペイン語など、あらかじめ言語別に仕分けてリスクを監視することで、チーム受信箱に実際の対応をつなげる際、どの言語チームが対応したらよいのかも明確になります。
Case2 チーム受信箱でカスタマーサービスを充実させる
「至急対応」というチーム受信箱を作ります。
ルールエンジンを設定します。「配送トラブル」というルール名を付け、トリガータイプ > 「メッセージが受信された時」を選択。
フィルター > メッセージ内容を選択し、「まだ届かない」 「遅い」などのワードを入力します
アクション > ①会話をエンゲージ受信箱に移動 > 「至急対応」を選択、②会話をアサイン > 「カスタマーサービスチーム」を選択、③会話の優先度を上げる、を選択します。
これによって、注文した品物がまだ届いていないという内容のメッセージを受信すると、その会話は「至急対応」というチーム受信箱に振り分けられ、カスタマーサービスチームにアサインされ、同時に優先度が高い案件としてマークされます。トラブルに対して適任者をアサインし、迅速に対応できるので、顧客からの信頼獲得にもつながります。