レポートにおける合計、平均、割合
Statusbrewの分析機能は250を超えるメトリクス(指標)を提供していますが、メトリクスのなかには、値を合計、平均、あるいは割合(%)のどれで表示するか選択できるものがあります。
この記事では、合計値と平均値の違いや設定の変更方法、使い分けについて説明します。
算出方法の種類
Statusbrewでは指標の値を算出する方法が3種類あります。合計値、平均値、割合(%)です。
どの算出方法が適用されるのかは、指標によって異なります。また、算出方法が固定の指標もあれば、どちらかの算出方法を選択できる指標もあります。
合計値のみ(SUM):例)獲得フォロワー数
平均値のみ(AVG): 例)平均評価星数
合計値または平均値が選べるもの(SUM/AVG):例)投稿リーチ数
合計値または割合が選べるもの(SUM/PERCENT):例)Instagramプロフィールコメント数
合計値も平均値も表示されないもの*:例)YouTube視聴率
*算出方法が表示されないものは、算出方法が1つに限定される場合(率、単価など)です。自動的にそのメトリクスに合う計算方法が適用されています。
合計、平均、割合の違い
はじめに合計値と平均値、そして割合の違いを確認しましょう。一般的な合計、平均、割合と変わりません。
合計値:指定した期間における、そのメトリクスの値の合計
平均値:指定した期間における、そのメトリクスの値の平均
割合:指定した期間における値の合計を100%とし、ディメンションが追加された場合はそのパラメータごとの値を割合で示す
合計と平均の違い
メトリクスのなかには、合計/平均を選択できるものがありますが、その多くは投稿に関するメトリクスです。「投稿リーチ数」を例に、合計と平均の違いを確認してみましょう。
例:8/1~10に、全部で11件の投稿を公開し、投稿リーチ数の合計が10という場合。
合計値の場合:値は10
平均値の場合:値は「0.91」(10÷11≒0.91、投稿リーチ数の合計を投稿数で割る*実際にはより複雑な計算式となる場合があります)
合計も平均も、そこにディメンションを追加し、データの粒度を上げることができます。
例えば、ディメンションに「投稿」を追加すると投稿ごとのリーチ数が、「日付」を追加すると、日別のリーチ数の合計値または平均値(平均の場合、投稿別のリーチ数÷日別の投稿数)が表示されます。

合計と平均の使い分け
合計/平均を選択できる指標の多くは、投稿に関する指標、競合に関する指標、Instagramストーリーズに関する一部の指標です。
それぞれ下記の特徴があり、目的によって使い分けることができます。
合計値:全体像を把握するのに適しています。キャンペーン成果の把握にも有効で、目標達成状況も一目で確認できます。ただし、投稿数や期間に依存するため、比較分析には不向きです。
平均値:条件の異なる比較に適しています(例:昼間と夜間の投稿リーチ数の比較、曜日ごとの投稿インプレッション数の比較)。効率性を確認したり、異なる条件下でも一貫した成果を出したい場合の改善点の発見などに有効です。ただし、突出した値が見えないため、急上昇や異常値に気づきにくいという欠点があります。
割合と合計/平均の違い
指標のなかには、割合と合計、または割合と平均を選択できるものもあります。
ここでは、割合または合計を選択できる「Instagramプロフィールコメント数」を例に考えてみましょう。
例:8/1~31、Instagramプロフィールコメント数が3件(内訳:リールに1件、ストーリーズに対して2件)あったとします。
合計値の場合:値は3、ディメンションで「コンテンツタイプ」を追加するとリール:1、ストーリーズ:3
割合の場合:値は100(%)、ディメンションで「コンテンツタイプ」を追加するとリール:33.33(%)、ストーリーズ:66.67(%)
このように、合計値は個々のパラメータ(ディメンションとして追加された要素)を具体的な数で表すのに対し、割合は全体に占める各パラメータを比率で表示します。
割合と合計/平均の使い分け
割合は次の特徴があります。
割合:全体に対する構成比を把握するのに適しています。(例:データソースごとのFacebook:ページファン数を割合で示す)。ただし割合は、母数に対する相対的な比率であるため、母数が少ないデータの場合に誤解を招く可能性があります。
合計と平均は、どちらも絶対的な値であるのに対し、割合は相対的な値です。SNSにおけるパフォーマンス分析のためには、どちらの値も必要不可欠ですが、80%という大きな値でも、母数が10なのか1,000なのかによって、パフォーマンス成果は変わってきます。
割合は詳細や内訳を確認するのに便利ですが、この点に注意して合計や平均と使い分ける必要があります。
使い分けのまとめ
合計値:➕全体像の把握 ➖比較には不向き
平均値:➕条件の異なる比較 ➖突出した値に気がつかない
割合:➕全体に対する構成比の把握 ➖母数に対する相対的な値のため大きな分析には不向き
例えば、クライアントにキャンペーン成果を報告する際、全体のパフォーマンスは合計値で示し、詳しい分析で平均値を使って比較、具体的な事例で割合を用いる、と組み合わせることで、質の高いレポートに仕上がります。
このように、異なった性質を持つ合計/平均/割合ですが、限られた時間のなかご自身で組み合わせるのは簡単ではありません。
そこでStatusbrewではテンプレートウィジェットを提供しています。
テンプレートウィジェットでは、ネットワークごとのトップ投稿、キーワード別センチメント比率、タグ別コンテンツパフォーマンスなど様々な内容を分析するために必要な指標やディメンションがあらかじめ設定されています。
平均値から合計値に変更したいときは、下記の手順で簡単に変更することが可能です。
値の算出方法を変更する
算出方法を選択できる指標は、ウィジェットの作成時、または編集時に変更することができます。
ウィジェット作成時の場合:指標名の右横の[[ic:caret-down ]]ドロップダウンで、「SUM」 「AVG」 「PERCENT」を選択できます(どの選択肢が表示されるかは、メトリクスによって異なります)。
作成済みのウィジェットを変更する場合:ウィジェットの右上にある三点メニューをクリック > ウィジェットの設定 > 指標名の右横の[[ic:caret-down ]]ドロップダウン > 「SUM」 「AVG」 「PERCENT」を選択します。