こんにちは、SNSを管理・分析・リスニングするためのオールインワンツールStatusbrewです。
Statusbrewは外資系でありながら、完全に日本語に対応している製品です。SNSマーケティングのためのツールというと、Statusbrewをはじめ外資系のイメージが強いかもしれませんが、優れたツールは日本企業からも販売されています。
今回注目するのは、SNS投稿管理・分析ツールとして知られるcomnico Marketing Suite(コムニコマーケティングスイート)です。国内の大手企業に導入されている実績があり、創業は2008年とSNSマーケティングツールとしては歴史が長いことから、ご存知の方やご利用経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、外資系ツールの特徴を持ちながら、完全日本語ローカライズされていて使いやすいStatusbrewと、日本製ツールならではの特徴をもつcomnico Marketing Suiteを比較します。
機能・目的・コスト・サポートの4つ面で比べることによって、一言にSNSマーケティングツールといっても、それぞれの特徴や適した場面が異なっていることが見えてきます。
ご自身のニーズにあったツールをお探しの方は、是非ご一読ください。
Statusbrewの基本情報

設立:2011年
拠点:カリフォルニア、東京、ロンドン、プラハ
大企業、多店舗事業者、マーケティング代理店といった、大量のSNSアカウントや複数のチームメンバーを抱える方に向けたSNS管理・分析・リスニングツールがStatusbrewです。
Statusbrewは、Twitterのフォロワー管理アプリ「Unfollowers」からはじまり、その後、Facebook、Instagram、LinkedIn、Threads、Blueskyなど複数SNSプラットフォームへの投稿、高度な分析、リスニングと機能を拡充し続けています。
Statusbrewのサービスはシンプルに1つだけ。SNSマーケティングに必要な、投稿・エンゲージ・分析・ソーシャル&ウェブリスニングというすべての機能がつまったオールインワンツール、それがStatusbrewです。他のサービスと組み合わせる必要はありません!
Comnico Marketing Suiteの基本情報

設立:2008年設立(株式会社コムニコ)
拠点:東京、大阪、高知
SNSマーケティングを手掛ける株式会社コムニコのサービスの1つが、comnico Marketing Suite(以下、comnico)です。
comnicoは「SNS運用のプロが作った投稿管理・分析ツール」とされています。会社が設立されたのは2008年ですから、まだ社会にSNSが浸透していない時代です。comnicoがローンチされたのは2012年ですが、それより早い2010年にSNSアカウントに関する代行サービスを始めており、SNS運用に関する長年のノウハウが蓄積されていることがうかがえます。
株式会社コムニコには、comnico以外にも、SNSのキャンペーン管理ツール「ATELU」、Instagram専用のチャットボットツール「autou」というサービスもあり、SNS運用をあらゆる面でサポートすることに長けています。

引用:https://www.comnico.jp/products/cms/jp
以前ご紹介した日本製ツールもそうでしたが、日本企業のツールの特徴として、キャンペーン管理に強く、サービス志向ということが挙げられます。このcomnicoもこの特徴に当てはまります。
一方、Statusbrewなど外資系ツールは機能面を重視する傾向があります。
基本情報をおさえたところで、機能・目的・コスト・サポートを具体的に比較してみましょう。
1.機能
下記の表に主な機能と対応しているSNSをまとめてみました。
Statusbrew:
4つの機能(投稿、エンゲージ、分析、リスニング)
Facebook、X(Twitter)、Instagram、TikTok、LinkedIn、Googleビジネス等機能によって異なるが幅広いSNSに対応
comnico Marketing Suite:
3つの機能(投稿、分析、コメント管理)※コメント管理機能はオプション
Facebook、Instagram、X(Twitter)、TikTok
| Statusbrew | Statusbrewの対応SNS | comnico Marketing Suite | comnicoの対応SNS |
---|---|---|---|---|
①投稿機能 | 予約投稿、承認ワークフロー、操作履歴、最適な投稿時間サジェストなど | Facebook、Instagram、X(Twitter)、TikTok、LinkedIn、Googleビジネス、YouTube、Threads、Pinterest、Bluesky | 予約投稿、承認ワークフロー、作業履歴、簡易校閲など | Facebook、Instagram、X(Twitter)、TikTok |
②エンゲージ機能 (comnicoでは「コメント管理」と表記) | 複数SNSの一括管理、返信やリスク監視の自動化、返信文のAIアシストなど | Facebook、Instagram、X(Twitter)、TikTok、LinkedIn、Googleビジネス、YouTube、Threads、LINE、WhatsApp、Reddit、App Store、Google Play Store、Yelp、Trustpilot | (オプション) 複数SNSの一括管理、リスク管理、返信タスクアサインなど | Facebook、Instagram、X(Twitter) |
③分析機能 | 255の指標、豊富なテンプレートレポート、完全カスタマイズなレポート、レポート自動生成など | 〃 | 自社アカウント分析、競合アカウント分析、Instagramのみクチコミ分析可能 | Facebook、Instagram、X(Twitter)、TikTok ※ただし分析内容により対応SNSは異なる |
④リスニング機能 | 特定キーワードの設定と収集、レポート化など | Instagram、X(Twitter)、Reddit、Threads、YouTube、ブログ&ニュース | なし |
機能の種類、対応SNSの幅広さとも、Statusbrewがリードしています。comnicoは主要SNSに絞り込み、投稿と分析と機能も至ってシンプルで使いやすい印象です。ただ、SNSマーケティングの要であるコメント管理機能がオプションであることに物足りなさを感じる方は少なくないでしょう。
次に、各機能ごと、ニーズが高いと思われる機能をピックアップして、その詳細を比較してみましょう。
①投稿機能
承認ワークフロー
Statusbrew:必要なだけ承認ステップを追加できる(外部ユーザーの承認参加も可能)
comnico:最大3ステップまで(外部ユーザーの参加可否は不明)
操作履歴とメモ
Statusbrew:自動で操作履歴が記録され、社内向けのメモも追加可能。チームメンバーに向けた@メンションや、外部ユーザーによる書き込みも可能。
comnico:投稿を保存すると、自動で変更履歴が記録、メモ機能も完備。
引用:https://www.comnico.jp/products/cms/jp/functions/post-reserve-management
チームメンバーの権限設定
Statusbrew:各SNSプロファイル/プロファイルグループごとの権限設定可能。権限にも複数種類あり。投稿にはコンテンツの状況を逐次確認できるウォッチャー機能もあり。
comnico:担当ごとの「担当者」を設定可能。
カレンダー
Statusbrew:シンプルで見やすいUI。週間、月間、プレビューなど複数の表示形式あり。特定のSNSや投稿ステータス、エリアの情報だけを抽出したカレンダー(プランナーボード)も作成可能。
comnico:大きな災害があった日などのリスク日アラート機能搭載。
引用:https://www.comnico.jp/products/cms/jp/functions/post-reserve-management
投稿内容のテンプレート化
Statusbrew:ハッシュタグや使用頻度の高いテキストだけでなく、住所やCall to Actionなど情報のテンプレートも得意(カスタム変数機能)。
comnico:定型文やハッシュタグをテンプレートとして保存。
その他共通する機能:プレビュー画面で確認しながら編集可能、URL短縮、X(Twitter)のスレッド、引用投稿の予約可能、モバイルでの投稿管理や承認、Xプレミアムのサブスクライバーに対応した長文投稿
Statusbrewのその他の機能:Open AIと連携した多言語によるキャプション生成、多店舗アカウントに最適な投稿グループ化、ベストな投稿時間を提案、タグやデータを自由に定義できるカスタム属性などの機能があります。
投稿機能の充実度
Statusbrew:☆☆☆☆☆
comnico Marketing Suite:☆☆☆
comnicoは、複数SNSアカウントを一括管理するための基本的な機能が揃っているので、すぐに管理が始められるでしょう。
一方、Statusbrewは、より幅広いSNSへの投稿 × 複数のチームメンバーによる共同作業 × 自由自在なフィルタリングによって、様々なニーズに応じた管理が可能です。
②エンゲージ機能
※comnicoでは「コメント管理」とされ、オプション
複数SNSのメッセージを1つの受信箱で一括管理
Statusbrew:Instagramなど主要SNSからLINE、Googleビジネス、Reddit、WhatsAppなど15のSNSに対応。DM、コメント、メンションのすべてが1つの受信箱に収集。各ステータス(オープン、クローズ、スヌーズ)へワンクリックで切り替え可能。
comnico:Instagram、X(Twitter)、Facebookのメッセージやコメントが1つの受信箱で時系列に表示。未読・既読・保留のステータスも管理可能。
引用:https://www.comnico.jp/products/cms/jp/functions/monitoring-management
Statusbrew:キーワードを指定して自動抽出・アラート、スパムの自動非表示や削除、担当者へのアサインも可能。
comnico:キーワードを設定し、それを含むコメントがあればチームメンバーに通知。
チームメンバーの権限設定、操作履歴とメモの追加機能:Statusbrew、comnicoともに投稿機能と同様に完備
Statusbrewのその他の機能:特定のSNSや言語別にメッセージを分類する受信箱(ビュー)やより詳細なフィルタリングが可能なチーム受信箱の設置、返信ダブり防止、返信やタグ付けの自動化、カスタム属性を活用して顧客情報を記録、AIによる返信文アシスト、SalesforceやHubSpotとのCRM連携、AIセンチメント分析、担当者が変わっても履歴を追跡可能なシステム(会話は自動で顧客ごとに蓄積)
エンゲージ(コメント管理)機能の充実度
Statusbrew:☆☆☆☆☆
comnico Marketing Suite:☆☆
comnicoは、コメント管理機能がオプションである点を踏まえて採点しました。やはりツールを導入する以上、コメント管理は基本機能に含まれている方が安心できます。
Statusbrewは機能面だけでなく、RedditやWhatsAppなど海外を視野に入れたSNS、そして日本国内で広く利用されているLINEにも対応している点が高評価に繋がりました。
③分析機能
データの視覚化
Statusbrew:直感的で使いやすいレポートダッシュボード。指標の説明や対応SNSも明記。23種類のチャートやグラフがあり、日別、ネットワーク別などのフィルタリングも簡単。視覚的な分かりやすさも追求。
comnico:確認したいデータに応じて表示をカスタマイズ可能。
分析内容
Statusbrew:255の分析指標、60種類以上のディメンションを用いて、複数SNSの横断分析、競合パフォーマンス分析、広告パフォーマンス分析、キャンペーンROI、トップ投稿の追跡、動画やフォロワー、CS評価、Instagramストーリーズなどあらゆる分析に対応。レポートの生成予約も可能。
comnico:①自社アカウント分析、②競合アカウント分析(TikTokは非対応)、③Instagram口コミ分析の3つに分類。①投稿やカテゴリ、フォロワーの分析、リーチやアクション分析、Facebook、Instagram、TikTok、Xの一括分析、月次レポートの自動作成②フォロワー数の追跡、トップ投稿、業界における自社のポジショニングマップ、競合他社の投稿分析、③Instagramの特定のハッシュタグを含む投稿の推移やAIによるチメント分析など。
Statusbrewのその他の機能:完全にカスタマイズできるレポート。レポート作成をサポートする豊富なレポートテンプレート。ベンチマークの設定とアラート機能、他ツールから移行してもスムーズなテンプレートも提供(MetaのCreator Studioと完全一致するInstagramオーバービューレポートなど)。レポートのPDF、CSVでのエクスポートも可能。
分析機能の充実度
Statusbrew:☆☆☆☆☆
comnico Marketing Suite:☆☆☆
Statusbrewの特徴は、業界でもトップクラスの255の指標や細かなフィルタリング、レポートテンプレートの豊富さにあります。
一方、comnicoは誰でも必要なレポートを作成できる手軽さが魅力です。
④リスニング機能(Statusbrewのみ)
Statusbrewでは、Instagram、X(Twitter)、Reddit、Threads、YouTube、そして世界中80,000種類のブログ&ニュース記事で特定のキーワード(Instagramはハッシュタグ)を指定してリスニングし、マーケティングにとって大きなヒントとなりうる様々な「声」を収集します。
リスク監視から業界動向の把握まで、あらゆる場面で活用することができるでしょう。(Xのみ従量課金制)
取得した会話は、自動で専用の受信箱に集約され、チームメンバーと共有したり、簡単にレポート化することも可能です。

例えば、
炎上リスクの検知:ネガティブなワード(例:「ブランド名+発送ミス」、「色が違う」)
リアルな声を新製品開発に反映させる:競合他社の人気商品、自社の売れ筋、最近流行りのワードや季節感を先取りするワード
キャンペーン分析:キャンペーン関連ワードなど目的に応じたワード
を指定して、関連する「声」を拾い集めます。また、除外するワードも設定することで、ノイズ除去も可能です。
リスニング機能の充実度(Statusbrewのみ)
Statusbrew:☆☆☆☆☆
機能面の充実度まとめ
Statusbrewは複合的かつカスタマイズ性に富んだツールです。様々なシーンやチームメンバーでツールを活用したい場合にふさわしいでしょう。
一方、comnicoはシンプルで安定性の高いツールなので、ある程度固定化されたシーンでツールを使いたい場合に適していると言えそうです。
2.目的
何を目的としてツールを取り入れるのかによって、どちらのツールが適しているのか分かってきます。
大量アカウントを一括管理したい
社内外の人と共有したい
キャンペーンを効率的に行いたい
インバウンド戦略のため様々な言語の「声」を分析したい
など、多くの場合、目的はひとつではないでしょう。となると、目的が多ければ多いほど、よりたくさんの機能をカバーしているツールが有利と言えますし、1つの目的を重視している場合は、その機能を備えているかどうかがポイントです。
例えば、
大量アカウントの管理×リスニング=Statusbrew
アカウントはそれほど多くない×キャンペーン管理重視=専用サービス(ATELU)をもつcomnico
同じくキャンペーンでも、キャンペーンに関するリアルな「声」を収集×複数の切り口でレポート化×クライアントにレポートを共有=Statusbrew
という具合に、目的とその優先度によって必要な機能は異なります。
ご自身に合ったツールを見つけるためには、目的と優先順位を明確にしておくことが重要です。
3.コスト
Statusbrew
Statusbrewはオンライン上で料金プランを公開しています。

プランは4つあり、その効果を最大限活用したい方にはPremiumプラン~がおすすめです。
Statusbrewの特徴は初期費用がないことです。また、大量アカウントやユーザーをお持ちの方や継続利用を対象としたディスカウントも提供しています。無料トライアルもあるので、気軽に実際の製品に触ってみることができます。
comnico
一方、comnicoは料金を公開していません。正確な金額は分かりませんが、ITreviewには下記のような情報があります。

引用:https://www.itreview.jp/products/comnicomarketing-suite/price
初期導入費用:100,000円、月額:50,000円(年契約なら、月額45,000円)
※最低契約期間は1ヶ月、無料トライアルもあるようです
初期費用がかかる点で、Statusbrewと比べ高額になるのは間違いありません。
アカウント数も比較してみましょう。プランによりますが、Statusbrewがお得のようです。
Statusbrew
Standardプラン:アカウント10個、ユーザー5名
Premiumプラン:アカウント15、ユーザー8名
comnico:3アカウント、ユーザー10名
どちらも上限数を超えると追加料金が発生します。 comnicoの場合、コメント管理機能がオプションであるため、希望する場合にはコメント管理機能分の料金(金額は不明)も加算されることが予想されます。
初期費用がないこと、月額とアカウントやユーザーの上限数、そして機能の豊富さを踏まえるとStatusbrewの方がコストパフォーマンスが高いと言えます。 一方、comnicoの各機能はシンプルですが、このツールの利点は、ATELUやautouなど他のサービスとの組み合わせにあると考える方もいらっしゃるでしょう。その場合、それらのツ-ルの料金もかかるため、更に予算を多く見積もる必要があります。
4.サポート
Statusbrew
ライブチャット
メール
SNSでのサポート
とありますが、最も対応が早いのはチャットで、返信時間が2分以内です。
Statusbrewは外資系ツールですが日本チームがあり、完全に日本語で対応可能。日本企業のツールとなんら変わらないサポートが期待できます。 その他、製品内のヘルプやヘルプセンター記事を確認して、疑問を解決することも可能ですし、大企業向けのEnterpriseプランであれば、全ユーザーのサポートや、日本語はもちろん必要な場合英語でも対応、365日のライブチャットサポート(優先返信)も行っています。なお、Statusbrewではチャットボットは導入していません。すべて実際のスタッフがサポートします。
comnico
有人チャット(9-17時、30分~1時間程度で回答)
動画チュートリアル
参考資料
特に参考資料が豊富で、マーケティングセミナーも開催されています。日本企業に特徴である手厚いサポートが人気です。Statusbrew同様、製品内にもヘルプがあります。
外資系、日本製問わず、どちらのツールでも、充実したサポートが期待できそうです。
まとめ
Statusbrewが管理・分析・リスニング機能を兼ね備えた、どんな場面でも活用可能なカスタマイズ性の高いSNSマーケティングツールであるのに対し、comnico Marketing Suiteは、誰でも手軽に活用できる、安定性に優れた管理・分析ツールです。
どちらがあなたのニーズにふさわしいのか、目的や予算など、さまざまな角度で検討してみてください。
Statusbrewをもっと知りたい方は、いつでもお気軽に右下のチャットから日本チームへお声がけください。この記事には書かれていないあなたにぴったりの機能が、Statusbrewにはまだ隠れている可能性があります。