適切なソーシャルメディア管理ツールの選択は、社内や社外チームの効率性とワークフローに大きな影響を与えます。特にあなたがSNS運用代理店の場合、複数のクライアントのソーシャルを管理するソフトウェアがあれば便利です。
本記事では、HootsuiteとStatusbrewと言う外資系ツールについて、特にワークスペース管理とチームコラボレーション機能に注目しながら、詳細に解説します。HootsuiteやStatusbrewに限らず、ツール導入時にどのポイントを大切にしたいか?
Hootsuite vs Statusbrew: 両ツールの基本概要を紹介!
HootsuiteもStatusbrewも日本国外で開発されたソーシャルメディアマーケティングツールです。両者どちらも「高機能性」かつ「代理店や大企業のために設計されたハイパフォーマンスツール」であることが共通点です。その中でも仕様やインターフェイスが異なるため、直感的にご覧いただくために下記をぜひご参照ください。
Hootsuite (読み方:フートスイート)
拠点:カナダ 創立:2008年 日本語ローカライズ:なし 価格体系:¥13,000〜(ユーザー1名) 得意分野:ソーシャルメディア代理店
誰もが知ると言っても過言ではない、この業界の老舗でありリーダー的存在のHootsuiteは、もともとデジタルマーケティング代理店でした。「クライアントのソーシャルメディアをもっと簡単に管理できたらいいのに」というアイディアから生まれ、世界中に利用されているかつ、世界でも日本でも最も知名度のあるツールと呼んで良いでしょう。
Statusbrew(読み方:ステータスブリュー)
拠点:インド 、日本、アメリカ 創立:2013年 日本語ローカライズ:あり(日英両方のカスタマーサポート) 価格体系:15,000円〜(ユーザー5名) 対応チャネル数:15種類(主要他LINE、 WhatsApp、Threads、Googleビジネス、YouTube、TikTok、Bluesky等) 得意分野:マーケティング代理店、大企業、巨大行政機関
toC向けTwitter(X)管理ツールUnfollowersとして2010年に創立し、当時世界に1500万人のユーザーを獲得し、今では「日本の大企業や行政機関の大規模ソーシャル管理」を得意分野とするインド発のツールです。2019年にコメント監視機能がグローバルで評価されるようになり、グローバル基準での高品質さと圧倒的なパッケージ価格の安さが自慢です。
モダンなソーシャルメディア管理プラットフォームであり、日本市場特有の機能や利用事例を日々導入していることも大きなポイントです。
ここからは主要な機能の比較をどんどん行なって行きます。
1.ダッシュボード管理とワークスペース間の移動がわかりやすいか?
ソーシャルメディアマーケティングツールは、主に3つの機能で成り立ちます。それが
投稿の予約機能
コメント監視管理機能
分析機能
です。これらは全て異なるようで、ソーシャルメディアのアセットとデータが結びつく動線が引かれているため、ダッシュボード上で誰がどんな作業に取り組んでいて、自分にはどんな役割があるのか、をパッと見てわかるプラットフォームを選びたいものです。
(1)Hootsuiteのダッシュボードとクライアント間のワークスペース移動手段
Hootsuiteはログインすると、左手にサイドナビ(メニュー)中央部分に重要な情報やレコメンデーションを配置してあります。
スコアとパフォーマンスの概要が即座に把握できる
"Create a post"ボタンが右上に配置され、すぐにアクションが取れる
ただし情報量がとても多いので、初見では少しだけ圧倒されるかもしれません。
(2)Statusbrewのダッシュボードとクライアント間のワークスペースの移動は1クリックで完結
Statusbrewはログインしてすぐに、真っ白の背景にシンプルなナビゲーション構造で、かつ、どのメニューをクリックすると何ができるのかが簡易的に記載されているためわかりやすいです。
各クライアントに固有の設定を持つ専用ワークスペースが自慢で、明確な区分けがダッシュボードのトップページから可能です。ダッシュボードの左上に、現在ログイン中のクライアントのワークスペースアイコンが表示され、クリックするとあなたが管理できるワークスペースが一覧化され、1クリックでクライアントワークの切り替えができます。
※ダッシュボードは全て日本語化しています。
2.ユーザーグループ化と「複数人で管理する」視点で見る
「ユーザーグループ(User Groups) / プロファイルグループ(Profiles groups)」というコンセプトは、企業のような大きな組織で様々な事業部門があり、国/地域にまたがり複数のメンバーが複数のアカウントを管理している場合にぴったりです。
同等のアクセスレベルのSNSアカウントと、従業員をまとめておくことで、権限の付与だったりタスクや承認のアサインが一括でできます。
(1) Hootsuiteのユーザーグループの作成方法と細かなカスタム機能権限設定
Hootsuiteのユーザーグループはチームと呼ばれるワークスペースに所属する「ユーザー」に対してアクセスできるアカウントや機能に割り当てる仕様です。
カスタマイズ性の高いカスタム権限設定では、より豊富な機能ごとのアクセス権限をユーザーごとに割り振ることができるため、大規模なチームにとっても便利になるでしょう。
(2) Statusbrewのユーザーグループ作成とプロファイルグループ単位のアクセス権限設定
Statusbrewでは、ユーザーグループを作成することで、「チケットや投稿のアサイン」を一括化することができます。
またStatusbrewではアクセス権限の付与はプロファイル(SNSアカウント)単位です。プロファイルに対して、
投稿の下書きを許可
投稿のフルアクセスを許可
コンテンツカレンダーの閲覧とコメンティングのみ許可
コメントやメンションなどのエンゲージメントの閲覧のみ許可
エンゲージメントへの返信を許可
などさまざまな権限をグループごとに割り振ることで、大規模組織のアカウント管理を構築します。
3.投稿作成の操作性が直感的か?
ソーシャルメディア管理ツールを採用する企業であれば、ほとんどの用途は予約投稿機能でしょう。ソーシャルメディアの予約投稿のメリットは、InstagramとX、Facebookなど複数のソーシャルチャネルに対して一度に作成内容を反映させることができるだけではなく、
1つの投稿に複数人の担当者が同時に編集、下書き、フィードバック、アイディアの調整が行えること
誰がどのような編集を加えたか、ログを追跡できること
これまでにパフォーマンスのよかった投稿を複製できる、テンプレート化できる
トラッキング用UTMパラメーターのカスタム化とリソース化ができる
など他にも多くのメリットがあります。
(1)おすすめの投稿時間やハッシュタグ(英語)のサジェスト機能ありのHootsuite
Hootsuiteは、投稿のおすすめ公開時間を、エディター画面で予約時間を決定する際にサジェストしてくれたり、英語に限ってですがハッシュタグの提案もしてくれます。
ただし、コンポーズ(投稿作成画面)でのメディアのアップロード方法が少しトリッキーに感じる部分もあるかもしれません、慣れるまでに長めのトレーニング時間が必要でしょう。
(2) AIによるキャプション生成やカスタム変数による複数店舗、事業のための情報管理
一方Statusbrewは、直感的でわかりやすいエディターです。左手のプロファイルには、"自分がアクセス権限のあるSNSアカウント"が表示され、選択するとエディターとプレビューが右手に立ち上がります。
AIによるキャプションの生成
カスタム変数機能で、大量の店舗アカウントなどお持ちであれば、情報をバックエンドで変更設定できるので、本社本部で統一された情報を間違いなく公開
よく使うキャプションのテンプレート化
CanvaやBit.lyとのインテグレーションが可能で普段利用しているツールは集約
などの利点が多くあります。
タスク管理機能つき自慢のソーシャルメディア専用カレンダー
Statusbrewはさらに、投稿のアイディアやタスクの計画の段階から、特定の目安期間上に「イベント」としてメモ帳をカレンダーにドロップする機能があります。
コンテンツカレンダーの見やすさ
コンテンツカレンダーの見やすさも自慢の一つです。ソーシャルメディア専用のエディトリアルカレンダーを使うことで、投稿の計画内容の共有から下書き、投稿の公開までを1つのプラットフォームで完結することができます。ソーシャルメディアのエディトリアルカレンダーは、世界中に多く存在しますが、様々な種類や形態があります。また、ソーシャル専用のエディトリアルカレンダーは、ソーシャルメディアマーケティングツールという名前で販売されています。
(1) Hootsuiteは「お勧め投稿時間」をカレンダーにも搭載
Hootsuiteはコンテンツカレンダーが非常に洗練されています。「おすすめの投稿時間」は過去のレポートデータからサジェストされ、週間や月間ビューにも表示されます。このおすすめ時間に合わせて投稿を作成する、というボタンをクリックするとすぐに作成画面に遷移されます。
(2)Statusbrewはタスクやイベントカレンダーのラベリングがわかりやすい!すぐに行動できる
Statusbrewは「公開リスク高のイベントカレンダー」などを共有したり、「この発売日やイベントに合わせた投稿をしよう」という社内の計画の時点で、チームに周知させることができます。
カレンダーには「投稿」というエンティティだけではなく、「商品の発売日 : 商品番号」「イベント」などを色でラベリングすることで、せっかくのプロモーション機会を逃すことはありません。
さらに投稿公開時には、Hootsuiteと同じくこれまでの公開パフォーマンスにちなんだ「おすすめの投稿時間」のサジェストも同時に行います。
4. コメント管理(ソーシャルメディアのアクティブサポート)の充実度と自動化の可否
ソーシャルメディアで投稿を公開すれば、また認知度が高まってくると、必ずソーシャルメディアの投稿やアカウント宛にコメントやメンション、DM、または口コミなどがどんどん集まります。これらは通常、ネイティブツールで行うと、スクロールしてどんなコメントやメンションが来たのかは確認することはできますが、チケット化はしていないので誰がいつどのように対応したかは追うことはできません。
(1) HootsuiteのInbox 2.0バージョンで受信箱を完成させよう
Hootsuiteはこれまでストリーム形式だったのが、「自社アカウントへのコメント」などをスッキリチケット化して受信箱で閲覧、返信ができるようになっています。
(2) コメント監視を完全に自動化できる! & 美しいチケット管理ベースの受信箱
Statusbrewは元々、グローバルでこのコメント監視ダッシュボードが瞬く間に評価を得た、「エンゲージメント管理機能」が最大の自慢です。
チケット化されるのはもちろんのこと、「誰がオンラインか」がわかったり、チケットのクローズやオープン、コメントの非表示や削除、センチメントの判断、返信などコメント監視と呼ばれる分野において全てを自動化します。
5. レポート機能 - 対応する分析指標の数やカスタマイズ性
投稿を公開したら、どれだけのパフォーマンスがあったかをさまざまな角度からデータを取得する必要があります。レポート機能をどのように見極めるかは、データの幅広さ、カスタマイズ性を重要視するべきでしょう。
(1) Hootsuite - 「ベストな投稿時間」がおすすめ!ダッシュボードが「マーケティング目的別」でセクション分けされている
Hootsuiteのレポートは、カスタムレポートでブランクレポートの中に、自分で好みのデータを挿入して完成します。
また、「ベストな投稿時間ダッシュボード」では、
(2) 指標数235個!Statusbrewの「欲しいデータが全部集まる」レポート機能
Statusbrewは「ブランド認知レポート」「投稿パフォーマンス」「クロスネットワーク分析」「タグ分析」「クリック分析」など、目的別のテンプレートが充実しています。
それだけではなく、Hootsuiteと同じく、ウィジェットと呼ばれるデータの単位を自由に組み合わせてレポートダッシュボードを完成させることができます。
235という豊富な種類のメトリクス(指標)と40種類以上の分析軸、そして23種類のチャートタイプを組み合わせて、データを完成させていくことができるカスタマイズ性は、Hootsuiteにない角度で見れるデータも多く存在します。
6. 価格は予算に合うか?大規模な組織になった場合に高額になりすぎないか?
もちろん、予算の検討も大切です。まずソーシャルメディアの管理ツールは、どのツールを採用するにしても、この4つを明確にしてからツールの営業担当者と話すようにしてみましょう。
ユーザーの人数(あなた以外のメンバーは使う?クライアントは何人?)
ソーシャルアカウントの数(クライアントワークの場合、合計で幾つになりそう?)
承認ワークフローは必要か?(フィードバックの送信やコラボレーションをどれだけ重要視しているか?)
4. コメント監視の自動化は必要か?(炎上アラートなど、通知や対応ワークフローを設計したいか?)
特にほとんどの外資系ツールは、パッケージ化されています。
Hootsuiteの価格:1年間で最大200%の値上げ
Hootsuiteの価格プランは以下の通りです。
Teamプランの月額サブスクリプションは60%増し
Professionalプランの月額サブスクリプションは100%増し
価格ページで月額必要での表記はないため、注意が必要です。
20個以上のソーシャルプロフィールを管理する機関は、8,900ドル(1,427,430円)のEnterprisesプランを利用する必要がある
Enterprisesプランには月払いのオプションがない。
年額10,000ドル未満の利用の場合、カスタマーサービスへのレスポンスが平均5日かかる。
自動スパム除去、自動モデレーション、自動承認ワークフローなどの自動化機能がない。
素晴らしいツールなのですが、価格がどんどん上昇し、さらにEnterprisesプランじゃないとレポート機能含め、アクセスできないメニューが多いこともよくトライアル中に検討すべきです。
Statusbrewの価格:企業のためのディスカウントが当たり前のパッケージプラン
7. 最後に:対応するソーシャルチャネル数その他比較まとめ
機能 | Statusbrew | Hootsuite |
対応チャネル | Instagram, TikTok, YouTube, Facebook, LinkedIn, Pinterest, X (Twitter), Threads, Google Business Profile, LINE, WhatsApp, Google Play, App Store | Instagram, TikTok, YouTube, Facebook, LinkedIn, Pinterest, X (Twitter), Threads, and Google Business Profile, |
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