こんにちは、ソーシャルメディアマーケティングのエキスパートStatusbrewです。
世の中には非常に多くのソーシャルメディアマーケティングツールが存在します。筆者も気になって、結局何個ほど世の中に存在しているのだろうか?と、おおよその母数を知るために、世界で最も有名で信頼性の高いソフトウェア評価プラットフォームCapterraで検索をかけてみると、655製品もありました。
ソフトウェアレビューサイトCapterraの画面
参照:G2
特に、外資系のツールは機能面で優れており、世界中で広く使われている傾向があります。その中でも、Sprout Social(スプラウト・ソーシャル)はこの業界のドン的存在として君臨しています。
多くのソーシャルメディアマーケティングツールが市場に出回っている中で、Sprout Socialは機能面など全てにおいて群を抜いています。本日はそんなSprout Socialというソーシャルメディアマーケティングツールについて紹介します。
Sprout Socialというマーケティングツールの概要と実力
Sprout Socialは、日本では「日本語にローカライズされていない」という理由もあり、あまり馴染みがないかもしれませんが、
ソフトウェア評価サイトでCapterraと同様に権威のあるG2が「2024年最も優れたソフトウェア賞」にも選んでいるツールです。これはソーシャルメディアマーケティングツールという部門ではなく、すべてのソフトウェアの上で選んでいるという非常に名誉なアワードでした。
Sprout Socialは、2010年にアメリカのシカゴで創立した、ソーシャルメディア管理および分析ソフトウェアのグローバルリーダー的存在です。
CEO の Justyn Howard氏
Sprout Socialの直感的なプラットフォームは、30,000を超えるブランド顧客を抱えます。
包括的な予約投稿とエンゲージメント管理機能、カスタマーケア、インフルエンサーマーケティング、アドボカシー、そしてAIを活用したビジネスインテリジェンスを提供します。
Sprout Socialが対応するソーシャルチャネル
Sprout Socialの強みは、対応するチャネルの数の豊富さでしょう。一貫した投稿管理や評判管理が可能です。Sprout Socialの価格プランやサインアップ時期によって利用できるチャネルは異なりますが、まず下記がベーシックなチャネル一覧です。
ソーシャルメディアチャネル
Xプロファイル
Facebookページ
LinkedIn企業ページ
LinkedIn個人プロフィール
TikTokアカウント
Instagramプロファイル
Pinterestプロファイル
YouTubeプロファイル
広告アカウント
Facebook広告アカウント
LinkedInキャンペーンマネージャー
Google Analytics
X広告マネージャー
レビュー系アカウント
Googleマイビジネス
TripAdvisor
Glassdoor
Yelp
Facebook
Google Playストア
Apple Appストア
Sprout Socialの機能
Sprout Social社は、
Dashboard(ダッシュボード)
Publishing(パブリッシング)
Smart Inbox(スマート受信箱)
Social Listening(ソーシャルリスニング)
Reports(レポート)
と主に5つの機能をそろえたソーシャルメディアマーケティングツールです。(※日本語ローカライズはされていないため、カッコ内の読み方はStatusbrew筆者がそのまま翻訳したものです)
Sprout Socialのダッシュボード(ユーザーインターフェース)には、インターフェースの両側に2つのメニューがあります。左側のサイドバーはPublishing、Social Listening、Smart Inboxなど、Sprout Socialが提供するさまざまなツールへのクイックアクセスができるようになっています。
Sprout Socialの投稿機能
Publishing(投稿機能)は12の異なるセクションに分かれており(プランによって異なります)、最初にソーシャルメディア専用カレンダーがあります。エディトリアルカレンダーを使用すると、週間/月間の形式で予約や下書きされた投稿を表示できます。フィルターを追加して、特定のソーシャルメディアアカウント、投稿のステータス(予約中、承認待ち中、公開中、など)またタグ(ラベリング機能)で絞り込んで表示することができます。
前後3週間に予約された投稿の数を示すボリュームチャートもSprout Socialの特徴です。
コンポーズ機能
新しい投稿を作成する際、右上の青色の大きなペンマークをクリックすると、コンポーズというエディターが立ち上がります。左手にエディター、右手にプレビューとわかりやすいUIで直感的にスイスイ投稿の作成が進みます。
投稿を作成する際には、絵文字、対応するプラットフォームのターゲティング機能を使ったり、メディアをさまざまなチャネルからアップロードします。
Instagramなどは位置情報、または商品タグを含めることができます。(プランによります)
アセットライブラリという独自のクラウドストレージは、使用したいメディアや頻繁に使用するメディアに迅速にアクセスするために、あなたとあなたのチームが使用できる中央のストレージシステムです。ライブラリからの編集も可能で、アクセス権限設定を構成して誰が何にアクセスできるかを制御することができます。
Publishingで最も役立つ機能の1つは、個々の投稿へのタグ付けです。これにより、スケジュールを表示する際に各投稿の目的を迅速に認識するのに役立ちます。
例えば、各投稿の重要性、コンテンツカテゴリー(作成するコンテンツに基づく)、コンテンツの目的(ブログ投稿の宣伝、動画の宣伝、新商品の発売開始など)をラベル付けするための異なるタグを作成できます。
・Pinterest投稿の場合、タイトルを追加、ボードを選択し、宛先URLを設定できます。
・Instagramの場合、最初のコメントを挿入することができますし、Sprout Social独自のリンクインバイオツールを使用している場合は、投稿リンクを挿入することもできます。
AIによるキャプションのサジェスト機能(コーパイロット)
Sprout Socialは単なる「予約投稿ツール」ではなく、AIアシストによる「コピーライティング」のサジェスト機能を搭載した、次世代Co Pilotツールに近年生まれ変わっています。
また、元のキャプションのトーンをフレンドリー、コンフィデント(自信のある)、プロフェッショナルに調整することもできます。
上記の画像はSprout Social社のコンポーズと呼ばれる投稿エディターですが、直感的かつAI搭載で大量のコンテンツ作成が必要なマーケターにピッタリと言えるでしょう。
複数段階の承認ワークフロー(外部ユーザーも承認プロセスに参加できる!)
Sprout Socialは大企業向けのソーシャルメディアガバナンスツールのため、コンテンツのレビューフローも組み易く設計されています。
Sprout SocialのAdvancedプランを使用している企業は、承認ワークフローに個人のメールアドレスを追加するだけで、Sprout Socialに追加していない外部の承認者も追加できます。外部ユーザーがメールアドレスを確認すると、割り当てられた投稿をレビューし、フィードバックを提供し、承認を行うことができます。
さらに、Sprout Socialは承認がまだ完了していない場合、締め切りまでの間に外部承認者に自動リマインダーメールを送信します。こうすることで、時間と労力を節約できるだけでなく、逐一のフォローアップをする必要もありません。
Sprout Socialの素晴らしさはここにある!エンゲージ管理機能
Sprout Social社を利用する顧客はこのエンゲージメント管理機能を求めているのでしょう。
Sprout Socialといえば、スマート受信箱というソーシャルメディアのチケット管理ツールとして業界のトップに躍り出ました。
Sprout Social社 Inbox View引用
Smart Inboxを使用すると、さまざまなソーシャルメディア上のメッセージを監視できます。プラットフォームごとに異なるメッセージの種類があり、Instagramでは投稿コメント、広告コメント、DM、通常のメンション、ストーリーメンション、メディアタグを管理できます。
Smart Inboxでもタグ機能が働き、メッセージの内部組織システムを作成できます。。
Smart Inboxは、プライベートメッセージ、クローズされたメッセージ、および保存したメッセージと3つの異なるセクションに分かれています。あなたの同僚はメッセージに返信することもできます。これらは返信承認セクションに表示され、送信前に手動で返信を承認するために使用できます。
このメッセージ送信の承認機能があるところもSprout Socialの大きな魅力です。
カスタムビュー
カスタムビューもSmart Inboxで利用可能です。まず、メッセージソース、メッセージタイプ、およびタグでツールのビューフィルター内容を構成し、好みの構成ごとにカスタムビューを作成することができます。
これでたとえば「ネガティブなコメントだけを集めて優先的に返信してしまいたい」場合に役立ちます。
メッセージ返信もAIアシスト
ソーシャルカスタマーケアの向上を狙う企業のために、カスタマーサービスエージェントを搭載されています。
全ての人材が「カスタマーサポートにふさわしい顧客とのやり取り」ができるわけではないので、「返信内容」を精査してくれるAIサジェストは「コメント返信のその一歩」を踏み出せない企業にぴったりでしょう。
適度にフレンドリーでブランドに合ったカスタマーサービスをブランドの標準にしたい場合は、Enhance by AI Assistを試してみてください。
Sprout Socialのソーシャルリスニング
これまではインバウンドエンゲージメント(ユーザーによるブランドへの直接のアクションで生み出されるコメントやメンション)の管理機能でしたが、
ソーシャルリスニングを使用すると、X、Facebook、Instagram、YouTube、Reddit、Tumblr、ウェブ(ブログ投稿、ニュース記事、フォーラムスレッドなど)に投稿されたコンテンツを特定のキーワードやハッシュタグで監視するためのビューを設定できます。
結果をクリーンかつ簡潔にするためにキーワードを除外し、より多くの結果を得るためにキーワードのバリエーションを含めることもできます。
言語、画像や動画を含む投稿、場所、および認証済みアカウントによって公開された投稿のフィルターも利用可能です。
AIの力でソーシャルリスニングクエリを強化
Sprout Socialのソーシャルリスニングは、AIを使用して数十億のデータポイントをふるいにかけ、トレンド、インサイト、戦略に不可欠な重要な学びを重視した抽出を行います。
AI Assistによるクエリの拡充: リスニングクエリのキーワード提案を生成して、検索をより正確かつ包括的にします。このツールを使用して、リスニングトピック内のメッセージに適用できるテーマの提案を生成し、より深いインサイトを得ることもできます。
AI Assistによるサマリー: 800文字以上のリスニングメッセージのサマリーレポートを取得します。生成された要約は、投稿の最も重要な情報とテーマを引き出すため、ざっと目を通すだけでは不十分な場合でも、重要な内容を見逃しません。
Sprout Socialの分析機能
Sprout Socialには、投稿のパフォーマンス、オーディエンスの成長、インプレッションなどのメトリクスを表示できる個々のソーシャルプラットフォーム向けのレポートがあります。これは他のソーシャルメディア管理ツールと同様ですが、特定のレポートを表示するためのクイックアクセスボタンも備えています。
上記のように、戦略向けレポートとインサイト、競合分析、コンテンツパフォーマンス、カスタマーケアとチームパフォーマンスの4つのカテゴリに分かれています。
カテゴリには、Google Analytics、LinkedIn Pages、Twitter Keywords、トレンドレポート、広告パフォーマンス、タグパフォーマンス、インボックスアクティビティなど、20以上のレポートがあり、非常に幅広いレポートを一度に取得することができます。
価格とプラン
Sprout Socialには4つのプランがあり、Standardプランのみがプロファイルの数に制限がありますが、それ以降はプロファイル数は無限です。
ただしユーザー1人あたりの価格のため、大規模組織となると高予算かもしれません。
Standard
– $199/月/
ユーザー1人の価格
(年間支払いの場合): 5つのソーシャルプロファイル、レビュー管理、キーワードおよび場所の監視、ソーシャルCRMツール、モバイルアプリなどの機能が利用可能です。
Professional
– $3299/月/
ユーザー1人
の価格(年間支払いの場合): ソーシャルプロファイルの数が無制限に増え、競合分析、自動ワークフロー、ソーシャルコマース(Shopify)統合などが含まれます。
Advanced
– $399/月/
ユーザー1人の価格
(年間支払いの場合): 機能がさらに増え、デジタルコンテンツライブラリ、チャットボット作成、自動リンク追跡のようなマーケティング活動を総括できる機能がほとんど含まれます。
Enterprise
– カスタム価格: Sprout Socialに直接連絡して見積もりを取得するプランです。追加機能には、24/5の優先サポート、コンサルティングサービス、ソーシャルリスニング、プレミアム分析が含まれます。
Sprout Socialの代替え品となるトップツール
Sprout Socialは間違いなくその機能性の高さから、最も魅力的なソーシャルメディア管理ツールです。
多様かつ高度な機能を提供しており、投稿プロセスの迅速化やエンゲージメント管理にも役立ちます。
ただし最大の問題はコストです。料金セクションでも少し触れましたが、Sprout Socialのプランはユーザーごとの料金のため、最低でも1人3万円からのスタートとなります。
Sprout Social社以外のほとんどのソーシャルメディアマーケティングツールは、パッケージ売りをしているため、この価格体系は少し他と比べると目立つかもしれません。
また、パッケージ売りをしているツールは例えば「30人以上だとユーザー一人当たり50%割引で提供」のようなユーザー数を多く招待するほどに融通がきくカスタムプラン等もある印象ですが、Sprout Social社は何人ユーザーを動員してもプランごとのユーザー料金は一律です。
つまり、10人のユーザーが最初から必要な場合、月額$2000以上の費用がかかります。
さらに、アセットライブラリ、競合レポート、タグ付けなどの機能は上位プランのみで利用可能のため、Standardよりもどちらかというと上位プランからの開始が一般的なようです。
それでも、コストを正当化できる場合、Sprout Socialはマーケティング戦略にとって非常に価値のあるツールです。
もし予算が合わない場合、
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