こんにちは、ソーシャルメディアマーケティングのエキスパートStatusbrewです。

皆さん、バンドエイド、コーラと言うとどのようなモノか簡単に想像できるのではないでしょうか。どちらも商標名で、一般名称ではありません。一般名称で述べると、救急絆創膏、コーラの実のエキスで味付けされた茶色の炭酸飲料となります。しかし、バンドエイドやコーラは、もはや今では、一般名称のようになり、誰もが商標名を述べると認識できるくらい認知度が高まっています。これは、大成功したブランド例です。

ブランドポジショニングとは一体何なのでしょうか?その鍵をブランドとポジショニングに一度細分化し確認しながら紐解いていきます。

また、ブランドポジショニングにおいて、ソーシャルメディアはどのように活用でき、どのような影響力を持つのでしょうか。Statusbrewの得意分野であるソーシャルメディアマーケティングの知見をもとに記していきます。

1.ブランドポジショニングとは

ブランドポジショニングの定義に入る前に、まずは細分化し、ブランドの定義と重要性からまず考えてみたいと思います。

1-1.ブランドの定義と重要性

皆さん、ブランドの定義を聞いて思い浮かぶものはありますか?何となくイメージできるけれども、ブランドについて定義づけしてくださいと言われると難しく感じる方も多いのではないのでしょうか。トヨタのレクサスやルイ・ヴィトンのバック、ユニクロのヒートテック、コカコーラのコーラこれらは全てブランドになります。高級なものから安価なものまで様々なブランドがあります。

ブランドにも、企業自体がブランド化されているメーカーブランドとその企業の製品やサービスがブランド化されているプロダクトブランドの2種類に分けられます。例えば、キッコーマンといえば、醤油が有名なメーカブランド、クレラップを製造する株式会社クレハはプロダクトブランドの代表例だと言えるでしょう。

Heidi Cohen実践的なマーケティングガイドによると、ブランドの定義は人によって見解が異なり、実に30以上もブランドの定義があるそうです。そのため、先ほど皆さんがブランドについて一言で定義づけすることができなくても、問題ありません。

この記事では、

ブランドとは「生活者から見て商品やサービスの意味ある差に共感し、独自の役割を持ち、

生活者の感情移入が伴ったモノやサービス」のこと。と定義させていただきます。

なぜブランド力を高めることが重要なのか?

  1. 差別化と競争力の向上

    : ブランドは、他の競合他社との差別化を可能にし、製品やサービスに独自性をもたらします。顧客はブランドを通じて、何が異なるのか、どのような価値を提供するのかを理解し、選択する際の基準として活用します。

例えば、お茶という同製品であっても、お〜いお茶や伊右衛門というようにブランド名が通っている方が購入されやすい傾向にあります。

  1. 信頼と忠誠度の構築

    : 強力なブランドは、顧客に対して信頼感を醸成し、忠誠度を高めます。信頼されるブランドは、品質や信用性に対する期待を満たすことで、顧客のリピート購入や口コミの促進につながります。

ヒートテック=寒い冬を乗り越えてくれる相棒のように強力なイメージをブランドに根付かせられると、冬前に何着も購入というような購買増進に繋がります。

  1. 付加価値とプレミアム価格の実現: ブランドは付加価値を提供し、同等の製品やサービスよりも高い価格を設定することが可能です。顧客はブランドの認知度や評判に基づいて、品質や満足度が高いと認識し、プレミアム価格を支払う意欲を持つ傾向があります。

数千円のバッグから、数百万円以上のバッグ、100万円の車から何千万円もの車があるのが良い例となります。

  1. 顧客とのエモーショナルなつながり: ブランドは顧客とのエモーショナルなつながりを築くことができます。ブランドのストーリーや価値観が共感を呼び、顧客にとって感情的な経験やアイデンティティの一部となることで、顧客のロイヤルティとブランドへの愛着を深めます。

全てバスの廃材から作られているというリサイクルバッグやキーケース、スマホケースを販売している、Freitagなどが顧客とノエモーシャルな繋がりを強く持っていると言えます。

  1. 長期的なビジネス成長と拡大: 強力なブランドは、長期的なビジネス成長と拡大を促進します。顧客からの支持や口コミによる新規顧客の獲得、新たな市場への進出などが可能となります。また、ブランドのポジショニングや戦略を活用することで、市場変動や競争環境の変化にも柔軟に対応できます。

出典:ELLE blog

このバレンシアガの2021年度のバッグをご存知ですか。これは、「ザ・ハッカープロジェクト」で作られたバッグです。このバッグを見て何か思うことはありませんか。そうです、このバッグはあの有名なグッチのシグネチャーデザインを真似し、BBデザインに変えたものになります。おそらく、バレンシアがではなく、一般的なバッグブランドが同じことを行えば、グッチの高級バッグの偽物に、何からくがきを加えたもの、のように軽く扱われてしまうでしょう。しかし、このバレンシアガのハックバッグは1つ28万円で売られ購入されました。それは、生活者、すなわち顧客がその値段でも買いたいと差異に納得し、バッグが役割を示し顧客の感情が入っていたと言えます。

このように、ブランドは商品・サービスを提供する上で大きな役割を示します。

1-2.ポジショニングの定義と重要性

あなた自身が意識しているかどうかにかかわらず、あなたの商品やサービスはすでに市場でポジションを持っています。そして、もしあなたが他の競合他社と比べて目立つポイントを持っていないのなら、それは適切なポジショニングができていないのです。適切なポジショニングができないまま、不利なポジションにいることを意味します。

マーケティングにおけるポジショニングとは?

ポジショニングとは、特定のターゲット市場において、自社の商品やサービスをどのような位置づけにしたいかということです。具体的には、市場ポジショニングとブランドポジショニングのプロセスでは、そのポジションを獲得するために、商品やサービスを消費者にどのように売り込むかを考えます。

マーケティングにおけるポジショニングの目的は、競争優位性を獲得するために、消費者が自社をどのように認識するかを確立し、心揺さぶることです。優れたポジショニング戦略は、消費者がブランドについて知っている状態から、製品の購入を決定するまでのマーケティング活動を向上させます。また、ポジショニングは時に些細なことがきっかけで大きな違いをもたらすことがあるため、消費者と同じ角度から見ることで発見しやすくなります。

例えば、マクドナルド、モスバーガー、SUBWAYを比較すると、それぞれがきちんとポジションを築き、同じバーガー業界でありながら共存できていることがわかります。マクドナルドがお手軽、メニュー豊富、手を出しやすい価格、モスバーガーは素材にこだわったバーガー、マクドナルドに比べて高級、SUBWAYは自分でカスタマイズすることができる、ヘルシー、というようにそれぞれが同じバーガーという市場においてきちんと位置づけされています。

Photo by Jonathan Borba / Unsplash

どのようなブランドや製品も、自分のポジションを開拓してもしなくても、市場のどこかに居場所があることをまず意識し、まずは自身のプロダクトの現状のポジションを考え、そこからどのようなポジションを築きたいか考えていきましょう。マーケティングにおけるポジショニングとは何かを理解すれば、プロダクトイメージをコントロールすることができます。

ブランドとポジショニングの定義について述べましたが、それではブランドポジショニングの定義はどうなっているのでしょうか。

Amazonのサイト内では次のように記されています。

「ブランドポジショニングとは、ブランドがお客様に提供する独自の価値を指します。これは、ブランドが自社のブランドアイデンティティを確立するためのマーケティング戦略であると同時に、自社のバリュープロポジションを表現するものでもあります。バリューポジションとは、お客様が他のブランドよりも自社のブランドを好む理由となるものです。さらに、お客様に自社ブランドと同時にバリュープロポジションを連想してもらうことを目指して、オーディエンスに対して企業が自らのポジションをアピールしていく場合にもブランドポジショニングは使用されます。」

さらにThe branding journal内では、「ブランドポジショニングとは、自社ブランドがどのように競合他社と異なり、また自社ブランドをどこにどう顧客に位置づけするか明確にすることであり、またブランドポジショニング戦略はすなわち顧客の心にブランドとの繋がりを創造し、特定の方法でブランドを強く認識してもらうことです。」と記されています。

つまり、まとめると、

ブランドポジショニングとは、「自身の商品やサービスを特定のターゲット市場において、どのような位置づけにしたいかポジショニングを行い、その過程で差別化・特徴を見出し、顧客にとってもその商品やサービスの意味ある差に共感し、独自の役割を持ち、生活者の感情移入が伴ったブランドとして成り立たせること。」です。

この後、例を踏まえながらブランドポジショニングをどのように行なっていけばよいか、ブランドポジショニングを行なっていく上で、重要な柱についても記述していきます。

2.ポジショニングとターゲティングは異なるのか?どっちよりにすべきなのか

まず、地域や年齢、性別などセグメントに分けるセグメンテーションを行なった上で、その次にターゲットを決めるターゲティングが行われます。そのターゲティングも終われば、そのターゲットの中でどのようなポジションを築いていくかを決めるポジショニングが行われます。その為、ポジショニングとターゲティングは行う順番が違いますこのセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングを行うことをSTP分析と言います。

出所:Sender HP

どっち寄りにすべきかという問いに対する回答は、企業の状況によります。どちらも行うことができていない場合は、まずはターゲティングに集中しましょう。ターゲティングをすでに終えているのならば、ポジショニングに取り掛かります。どちらも蔑ろにすることのできない非常に重要な分析になります。

定義

ターゲティングとは、企業が狙うべき顧客層や市場を決定すること。

企業がすべての市場セグメントを特定したら、どのセグメントをどれだけターゲットするかを決定します。この戦略では、小さく、明確に定義されたターゲットグループを特定することを目的としています。

あなたが衣料品小売業者のマーケティング・マネージャーとして働いているとします。すべての女性をターゲットにすると決めるのではなく、新しい服をシーズンごとに服を購入する流行に敏感な25歳から30歳の女性をターゲットにするというようにより具体的に決めることです。適切なターゲット市場を見つけるためには、その可能性に基づいて市場セグメントを評価し、企業がこれを効果的に行うための資源と能力を有しているかどうかを確認する必要があります。

先ほど述べたポジショニングは企業は市場において自社製品を位置づける、自社のブランドや製品が、市場の中で他者にどのような影響を与えているのかを判断することです。

3.ソーシャルメディアとブランドポジショニング

ソーシャルメディアの役割、影響力が高まっている今、ソーシャルメディアを有効活用することができれば、ブランドポジショニングを行うことも可能です。ソーシャルメディアで的確な運用を行おうと考えた際、まず、どのようなソーシャルメディアがあるのか、どのような人がどのソーシャルメディアを用いているか、どの時間が効果的かなど、まず考えられる要素を挙げた上、ターゲットとする層に合わせてソーシャルメディアを選択し、定期的投稿時間など決定します。

これは、いわば、ブランドポジショニングを行う上で大切な、行うべきSTP分析を、ソーシャルメディア上でもそのプロセスに沿って行うことができています。

この記事では、ソーシャルメディアを用いてブランドポジショニングを行う際、考えられる投稿の種類について述べます。

どの地域・年齢・性別・どのような状の人をターゲットに投稿するか決めたら、以下のような投稿の方法が考えられます。

1.文章投稿型

文章投稿型の中でも、長さはキャッチフレーズのように短い文章から長い文章まで長さ、内容共にテイストの違いを出すことができ、一例として以下のように分けられます。

・顧客の興味を引くキャッチーなフレーズ

・プロダクトの説明文章

・製造・制作側の思いを記した文章

・専門的な内容を示した文章

それぞれ、顧客に与える影響は異なりますが、思いを直接伝え、さまざまな点を具体化させることにより、独自の位置を企業から示すことができ、差異を見出しやすくなります。

2.写真投稿型

写真投稿型には大きく分けて以下の2種類に分けられます。

・イメージ先行型

・コンテンツ型

イメージ先行型ではそのプロダクトの伝えたい世界観を画像で表現し、ブランドポジショニングを行えるようにします。特に高級なプロダクトを扱っている企業に見られる傾向です。

コンテンツ型は、その効能や値段、他の顧客からの評価などを含めながらプロダクトについて紹介されます。

3.コミュニケーション型

コミュニケーション型では、質問や顧客と企業のソーシャルメディア上での会話に重点を置かれ、それらが質問者と企業担当者だけでなく、他の顧客・企業担当者皆が見られる状態にしている投稿の種類になります。

4.動画投稿型

動画投稿型には、長さで分けると、動画の長さが様々な従来の投稿と、全て短い尺のリール型投稿に分かれます。

内容面では、性能を伝える投稿、日常のBlog動画の中でプロダクト紹介を含める投稿、投稿主のチャレンジ投稿、インフルエンサーたちがおすすめを紹介する投稿などに分かれます。

5.LIVE動画型

LIVE動画型では、物理的な距離は離れていても、リアルタイムで発信することができる投稿方法です。リアルタイムで顧客からの意見を得られ、リアルタイムで反応できることにも特徴があります。

4.ソーシャルメディアがブランドポジショニングに与える影響

ソーシャルメディアがブランドポジショニングに与える影響は、上記で述べた投稿方法によっても異なってきますが、主には、次のようなことに影響を与えられます。

1.物理的距離に制約ないためやり方次第で世界中にアプローチ

米ビルボードのグローバルランキングでなんと1位を獲得、J-POP史上初の快挙を成し遂げたYOASOBIの新曲「アイドル」を例に挙げられるでしょう。元々、YOASOBIさんが原作小説から楽曲制作に落とし込み、その世界観が素晴らしいことは間違いありません。また、今回話題作であるアニメ「推しの子」の主題歌ということも影響していたと思いますが、それ以上に、これまで多くの楽曲を英語でも配信、事前に映画館での推しの子1話放送と同時に初めてその場のみで楽曲アイドルフルバージョンを解禁しTwitterの話題に上るほど注目を集める、アニメ推しの子自身もソーシャルメディアを活用というように、散りばめられた様々な工夫が今回の快挙に繋がっています。

ソーシャルメディアを用いれば、多くのことが地理的制限を持つことなく、ブランドポジショニングを行うことができます。

2.ブランド価値の共有がより明確に

日本のいくつかの和牛は、松坂牛・神戸ビーフ・飛騨牛・近江牛・米沢牛・但馬牛と他にも沢山のブランド牛がありますが、実際のところ、その違いについて認識している方はほとんどおらず、また同じブランド牛を生産する畜産農家さんになると、さらに違いがないのではないでしょうか。

但馬牛の畜産農家である、和牛ティーチャーさんは、リールを通して担当牛がお肉になるまでの過程を載せてくれています。牛さんの風邪に対応する姿や、お茶目な牛さんの姿まで、日々の様子、仕事の内容を伝えてくれます。ソーシャルメディアでの発信により、但馬牛自体の再ブランド化も行われ、よりブランド価値が高まります。

3.ソーシャルメディア自身がブランドポジショニングになる

ソーシャルメディアは、載せた情報が蓄積されていきます。初めから何万人もフォロワー、再生数を稼げることは少なく、ソーシャルメディア自身もあなた共に成長していき周りに与える影響力を高めていきます。

4.ブランドポジショニングを超えたソーシャルポジショニングが可能

昨今の消費者意識の変化に加え、ソーシャルメディアによって、企業ストーリー、企業の思い、企業の現状をリアルタイムで発信できるようになり、「市場における差別化」ではなく、「社会における共感」に重点を置き、機能面、優れた点を強みに自身の企業だけが儲けられるのではなく、社会課題をリード/サポートする企業として、社会全体とテーマを共有したソーシャルポジショニングを行いやすくなります。

出所:博報堂webマガジン

5.ソーシャルメディアの指標と分析方法

Statusbrewの機能を用い分析できる指標は、実に190以上あり、Facebookのみでも140ほどの分析指標があります。投稿ごとの滞在時間・国別・地域別・ジェンダー・年齢・はもちろんのこと、どのデバイスからの閲覧者が多いか、オーガニック投稿支払い投稿の比較、コメントの返信所要時間、コメントの種類、地域別傾向、ソーシャルメディア別傾向、細部まで把握するには本当にいくつもの分析指標があります。また分析のみならず、Statusbrewでは、完全カスタイム性のデータ取得・分析ダッシュボード作成(分析レポート作成)が可能です。今よりソーシャルメディアマーケティングに力を入れ、分析を行いたいがどのような指標分析が自社に今必要なのかわからないという場合も一度お気軽にお声がけください。