みなさんこんにちは、Statusbrewです! 今回は、企業が運営するソーシャルメディアアカウントが、どのようなコメント対応をすればフォロワーに悪い印象を与えずに済むのかを、事例を交えて解説します! 後半ではソーシャルメディアエンゲージメント管理のためのより具体的かつテクニカルな内容をお伝えしますので、最後までお読みいただけると幸いです。 まず最初に、企業やブランドがブランディングに関わるリスクを最大限に防ぎ、良いエンゲージメントを保つための活動を、「コメント・モデレーション(Comment Moderation)」と呼びます。 「モデレーション」とは、節度、適度などの意味を持つ単語であり、寄せられるコメントが適切な状態であることを維持するということです。

⑴コメントの対応をする意味 = ソーシャルメディアの醍醐味を忘れていませんか? ⑵コンテンツマーケティングよりもコミュニティ形成がエンゲージメントの鍵 ⑶炎上対策について、意識すべき2つのこと ⑷企業アカウントの事例 ⑸実践編!コメント管理を開始しよう! ⑸-1.企業アカウントのコメントの開始フォーマットを準備しよう ⑸-2.ソーシャルメディア上のコメントのボリュームを把握・整理する ⑸-3.ソーシャルメディアのコメント管理の優先順位をつける ⑸-4.出来るだけ個別での対応に切り替える ⑹各SNSプラットフォームのコメント対応自動化ツールStatusbrew

⑴コメントの対応をする意味

ソーシャルメディアマーケティングの最大の強みは、「コンテンツを公開できる」ことではなく、顧客と生み出されるメッセージです。 ブランドとしての認知度が上がってくると、エンゲージメントと呼ばれる コメント DM メンション ビジター投稿 口コミ

がユーザーやライバル企業からどんどん生成されるようになります。これはどのビジネスでも共通して企業がコントロールできないものですが、だからこそこのユーザーエンゲージメントを「顧客との接点としてビジネスに活かせるかどうか」にかかってくるのです。

企業アカウントを始める目的は様々な理由があります。広告のみで運用をしている企業もあれば、ブランディングのためやお問い合わせ対応など。企業の戦略に応じてアカウントの運用も異なります。 ソーシャルメディアは生活の一部になっていて、そこを起点に消費者購買に繋がることが急激に増えたので、大企業はもちろん中小企業もソーシャルメディアを導入することはもはや当たり前になりました。 そういった流れからも、どの企業にも共通して言えることは、フォロワーでもありユーザーであるかもしれない人達に対して、耳を傾ける必要があることです。ソーシャルメディアを使ってユーザーに対してヒアリングをする場合、自社の投稿に対するコメントや返信をみて商品の改善に繋げたり、直接ユーザーにコミュニケーションを図ることができる点など企業にもたらすメリットは大きいです。 企業がソーシャルメディアでカスタマーサポートを行うにあたって、チャネルを増やした先がソーシャルメディアでもあります。

⑵コンテンツマーケティングよりもコミュニティ形成がエンゲージメントの鍵

近年、ソーシャルメディアでエンゲージメントを獲得するには、最終形態としてコンテンツマーケティングよりもどちらかというと、コミュニティの形成が勝ちと言えます。 ソーシャルメディア上で顧客、もしくは顧客になりうるユーザーからのエンゲージメントを勝ち取るために、ユーザーへのサポートを含むエンゲージが鍵です。

ソーシャルメディア上で顧客、もしくは顧客になりうるユーザーからのエンゲージメントを勝ち取るために、ユーザーへのサポートを含むエンゲージが鍵です。

こちらはPandadocという書類作成ツールに対して筆者である私が彼らの公式Twitter宛に@メンションして問い合わせたものです。

同じようなクエリを持つTwitter上の別ユーザーがこの会話に参加したことで、「いいね」「@リプライ」「ソーシャル上のキーワード」と言ったエンゲージメントが倍になります。

ユーザーのクエリを解決するだけではなく、このように小さなコミュニティの構築を少しずつしていくことが大切です。

これにより、ユーザーがTwitterやInstagramなどであなたの企業名、商品名やサービス名を検索した時にリーチ&エンゲージしやすくなる窓口を作ることにもなります。

⑶炎上対策について、意識すべき2つのこと

ソーシャルメディア担当の方にとって、「炎上」は最も注意しなければならない問題です。ソーシャルメディアにおいて炎上する際は、担当者の注意不足が原因の多いです。お問い合わせやプロモーションなどを合わせてアカウント運用をしている場合は、コメントに対応をする際に以下のことを注意しましょう。

◯事実を丁寧に伝えること お客様対応をする際は、返信が難しい内容のコメントが来ることもあります。そういった場合、まず企業としての公式な見解が取れるまで状況説明をしましょう。誤った内容のコメントであれば正確な情報を伝え、訂正をするなど内容を見極めて、事実に基いて対応することを心がけましょう。SNSを運営するに当たって、ある程度悪質なコメントが来ることは想定しておかなければなりませんが、対応が丁寧であれば悩んでいるユーザーをファンにできる可能性もあります。 仮に、マスコミなどで報道された場合などは個別に対応することが難しいと予想されます。そういった場合でも、まず様子を見てから謝罪文やまとまった公式見解が出るまでは明確なコメントは差し控えましょう。そういった状況では、SNS上で個別対応することはさらに状況が悪化しかねないので細心の注意が必要です。 最も大切なことは、ユーザーやフォロワーが何に対して不満を抱いているのかを見極めて、適切に事実を伝えることです。

◯迅速な対応が企業の利益になる 不満や悩みがあるユーザーからコメントが来た場合、企業としては迅速な対応を取る必要があります。なぜなら、SNSアカウントを持つ企業のメリットは、ユーザーやフォロワーから生の声をヒアリングをする事で商品を改善できるチャンスに繋がるからです。商品のどの部分が気に入らなかったのか、またはどこに問題があったのかなどを明確にし、商品をより良いものに改善する過程ではユーザーからのヒアリングがとても重要になります。 つまり、企業がアカウントを運営していく中で、最も目を向けなければいけない層は悩みを打ち明けてくれる人なのです。そういった人達の悩みを迅速に解決できるサポート体制が必須になってくるでしょう。

⑷企業アカウントの事例

ユーザーからのリスニングが重要ということで、Twitterにおける 企業アカウント運用はどのように行われているのでしょうか。 ソーシャルメディア担当の方は一度はチェックする価値のある企業アカウントをご紹介します。

○Goncha Japan

Gonchaは、台湾発のティーカフェブランドで世界中、日本では全国展開しているチェーンです。Gonchaは、

  • Instagramのコメント、メンション

  • Twitter(X)のメンションや引用リツイート、リスニングキーワード

  • TikTokのコメント

に「全返信」の姿勢で、ドリンクを購入してくれた顧客や新作を楽しみにしてくれている見込み顧客に対してのポジティブなコメント返信を実現しています。どのコメントもブランドトーンが一貫されており、ストーリーラインやブランドのフレンドリーですがプロフェッショナルで明るい顔色が平等に伝わることを意識しているのが伺えます。

そうして、企業に対して親しみを持ってもらう事で悪質なコメントをするユーザー自体を減らすことにつながっている点がポイントです。主力の商品のターゲットが若い世代なのもあり、SNSを上手く活用してお客様対応ではなく、フォロワーと会話をするのがメインの運営形態です。

◯アスクル

公式Twitterアカウント

次にご紹介するのは 、アスクル株式会社です。 アスクルは、お客様サービスデスクというアカウントを設けてTwitter上でお客様に対して不具合などが生じた際に対応を行なっています。 最近は、こういったお客様対応専用のアカウントも増えてきていますが アスクルは2011年から導入しており、比較的早くからフォロワーやユーザーに対してのヒアリングを行なっています。自社についてのツイートを見つけた際に、サポートアカウントから解決策を提案したり、不具合の際には謝罪をしてDMにて個別に対応を行うなどの運用を行なっています。 アスクルの運用の特徴としては、不満のあるツイートをしたユーザーが、他にどんな内容のツイートをしているのかを確認してから返信をしていることです。そのツイートに対してのみ返信をするのではなく、そのツイートをしている人がどんな人なのかを大まかに把握してから返信をする事で丁寧さを強調しています。 顧客側は、SNSを通してのサポートをあまり期待していないことが多いため、迅速に対応をする事で感謝されることも少なくないのです。

このように、顧客に企業へ対して親しみを持ってもらうことで悪質なユーザー自体を減らしたり、悩みを迅速に解決する施策をとるにはSNSは効果的であると言えます。そして、今後このようなSNS運用体制を導入する企業はさらに増えていくでしょう。 SNSアカウントを作成するか検討中の場合は、こういった企業をモデルにして運用してみてはいかがでしょうか?

⑸実践編:企業のコメント対応を始めよう!

実践に入りましょう。

まずは企業アカウントとしてコメントの監視をする体制を作ります。

ステップごとに分けて、絶対にやるべき内容をぜひフォローしてみてください。

⑸-1.企業アカウントのコメントの管理監視体制を駆逐することから始めよう。

ソーシャルメディアは、「通知」の嵐です。

この通知をいち早くキャッチすることが、ソーシャルメディアマーケティングで、あまり知られていない重要な要素となります。

皆さんもご存知の通り、各ソーシャルメディアはモバイルでもPCでも、通知タブに延々にたまるし、どのコメントに誰がいつ対応したのかわからなくなります。

ソーシャルメディア専用のコメント監視ツールなどを利用して、「全ての」エンゲージメントをトラッキングしつつ、自社のブランド名や商品が話題に上っているかどうかを24時間体制で監視します。

通常、このようなプラットフォームは「ソーシャルメディアの受信箱」や「チケット管理ツール」としてオンラインで販売されています。

Statusbrewのようなエンゲージメント追跡ツールを使うことで、

  • カスタマーサポートが必要な、顧客の不満を表すコメントはいくつあるか

  • ヘルプリソースを案内すれば回答できる質問はいくつあるか

  • 自社ブランドが@メンションされていて、そのうちどれくらい返す必要があるか?

  • 自社ユーザーがソーシャルメディアを最も利用しているのはどの時間帯か > ソーシャルチャネルごと

がまず数字で明確になります。

この中で、コメントへの対応が必要なものは全体でどれくらいあり、今の企業体制でどれくらいのリソースを割り当てできそうでしょうか?

いや、実際にやってみないとわからない場合は、Statusbrewのようなツールで

  • コメントの総ボリューム

  • 返信対応が必要なボリューム

  • 初の返信までにかかった時間(秒数換算にすること、各自の勤務時間内での計算にすること)

  • チケットをクローズ=問題解決までにかかった時間

を算出しましょう。

⑸-2.ソーシャルメディア上のコメントのボリュームを把握・整理する

ソーシャルメディア上では、自社の商品やサービスについて@メンションされていても返答する必要のないけれど、フィードバックの記録としておくもの、広告へのスパムなど、多くのノイズが存在します。 アクションが本当に必要なコメントを選別するかが大切になります。

Statusbrewのようなカスタマーサポートツールは、すべてのソーシャルメディア経由の問い合わせを追跡して、サポートチケットに自動変換します。

問い合わせてきたユーザーと既に過去にやり取りしていたり、未解決のままの問い合わせがある場合、本来ならチケットはクローズせずに、オープンまたはスヌーズにしたまま解決してくれる社内のメンバーへ助けをツール内で求めることができます。ユーザーが既に他のチャネルを通じて問い合わせてきていないか、あるいは最初からソーシャルメディアで問い合わせてきたのかを確かめることも大切です。こうしたユーザーデータがきちんと蓄積されていれば、カスタマーサポート部門が情報を収集するために顧客と何度もやり取りする必要がなくなります。

⑸-3.ソーシャルメディアのコメント管理の優先順位をつける

まず、ユーザーがソーシャルメディア上であなたの企業にコメントしたりメンションしたりする理由は一つ。

注目してもらえる。返信がもらえるチャンスが高いと見込んでいるからです。

返信するのであればスピード命です。できるだけ迅速に応答するには、ユーザーからの問い合わせに優先順位を付け、緊急性の高いクエリから対応していく必要があります。

最も優先すべき対応: ・不満を持っているユーザーからのクレームや商品に対する問い合わせ ・多くのユーザーに影響を及ぼすか、PR上企業ブランドの評判につながる問題

2番目に優先すべき対応:

・自社の製品やサービスについての一般的な発言に対する返信 ・自社のブランドや業界についてコメントをしているユーザーとのエンゲージ

これらのチケットを切り分け、早急に担当チームに通知しましょう。

⑸-4.出来るだけ個別での対応に切り替える

ソーシャルメディアは特にTwitterなどでは文字数が限られていること、さらに個人的な問題を解決するにはあまりにオープンスペースすぎる場合があります。

特にメールアドレスやパスワード、顧客情報などの個人を特定できる情報をソーシャル上でシェアしないためにも、別のチャネルに誘導したり、プライベートメッセージに会話を移行させます。

別のチャネルとはカスタマーサポートメールだったり、DMやメッセンジャーになります。

⑸各SNSプラットフォームの悪質なコメント対策機能

企業アカウントを運用するにあたって、批判ではない悪質なコメントやスパムを頻繁に送ってくるアカウント をブロックすることは、あまり得策ではありません。理由としては、炎上のリスクを生じかねないからです。 しかし、どうしても悪質なコメントが続く場合は、SNSプラットフォームの機能を利用することを検討してみましょう。

近年、爆発的なユーザーの増加やそれに比例するスパムや嫌がらせのコメントやDMの存在により、各社どのプラットフォームも「コメントの削除」「コメントの非表示」機能が充実しています。

コメントをした本人とその友達にはコメントが表示されますが それ以外の人には表示されないように設定できる機能があります。 非表示にしたいコメントの欄の右側にいくと〈非表示にする〉と表示されるのでそれを選択をします。すると、上記のように本人とその友達以外の人には表示されないようにできます。 その他にも、InstagramやFacebookページには独自のアルゴリズムがあり、自動で関連性の低いコメントを非表示にしてくれることもあります。 また、予めページの設定から特定のキーワードがあるコメントを受け付けなかったり、非表示にすることができる設定もあるので、一度確認してみてください。 最終手段としてのアカウントブロック、悪質なコメントをする特定のユーザーをページから除外する設定をすることも可能ですが、それらをすることによって他のユーザーにあまり良い印象を与えません。

⑹各コメントへの対応アドバイス

上記のように、企業がソーシャルメディアアカウントを運用するにあたってコメントへの対応がいかに重要であり、同時にリスクも含んでいることがわかったと思います。 では、ここまでのまとめとして、担当しているアカウントにBADコメントがきた場合にはどういった対応が適切なのでしょうか? 基本的な対応をケース別に考えてみました。

①アカウントの投稿内容についてのBADコメント 投稿を積極的に行う企業は、なるべく短い文章でメッセージ性のある投稿をする事がよくあります。なぜなら、長々と書いた文章は読まれにくいからです。そこで、短い文章が故に、本来伝えたい真意が伝わらないケースから批判のコメントが来る場合もあります。 このケースは、まず不快な思いをさせた事に対しての謝罪が大切です。それから、どういった背景と真意から投稿をしたかを説明しましょう。 仮に、投稿が炎上してしまう可能性があると判断した場合は、削除する前にどんな内容の投稿なのかをスクリーンショットなどで撮影しておきましょう。社内に報告をする際に必要になるかもしれない為です。

②不祥事が起こった場合のBADコメント 企業で不祥事が起きた際は、気軽にコミュケーションが取れるSNSアカウントが標的になりやすいです。SNSは、匿名性のもとで心無いコメントをする人もいる側面を持っています。こういったケースの場合は、⑵の通り 個別で対応することは難しいです。一括した対応で公式の見解や謝罪文のリンクへ誘導するなどが良いでしょう。事実を丁寧に伝えるため、誤った情報は訂正をして、状況を説明することが大切です。 このケースは、SNSアカウントが発端ではないですが、こういった不祥事が起きた場合もBADコメントが来ることを想定しておきましょう。

③製品やサービスへのBADコメント こういったケースでは、ユーザーがどんな背景から不満を持っているのかを考えて、今の状況をヒアリングすることが望まれます。例えば、アメリカのスターバックスではFacebookページのタイムラインに商品やサービスについてのネガティブなコメントが投稿されると、すぐに担当者からの謝罪と「問題の内容を詳しく教えて欲しいので顧客サポートからメールを送ります」といった趣旨のコメントが返されます。そういった対応から個別にDMやメールなどで詳しく事情を聞いて、社内にフィードバックをする事でクレームをプラスに変えることができます。そのためには、不満を持つユーザーに失礼のないように配慮をしながら情報を収集しながらも「何に対して不快に思ったのか」を聴くことが大切です。 特に、個別対応の際は必ず相手への配慮を心がけましょう