こんにちは、Statusbrewです。
私たちの人気シリーズ「ソーシャルメディアでお金を稼ぐ」の中でも、代理店ビジネスについて常に深く掘り下げてお届けしています。
「ソーシャルメディアのコメント監視事業を立ち上げる」という前回の記事が好評でしたが、今回は「ソーシャルメディアのアクティブサポート事業を立ち上げる」方法についてどこよりも詳しくお届けします。
そもそもソーシャルメディアに関する代行業といえば、
・アカウントの設計 ・コンテンツの企画 ・コンテンツの投稿と効果測定
が最も広義として認知されていますが、今はもはや「投稿する」だけではソーシャルメディアマーケティングをする意味はないと言っても過言ではないでしょう。
ソーシャルメディアを通して確実に売り上げに繋げたり、永続的な顧客を獲得するためにはソーシャルセリング、ソーシャルメディアのアクティブサポートは不可欠です。このアクティブサポートの必要性をクライアントに大いに強調することを前提に、新たな代行業としてあなたの顧客の幅が広がることを願っています。
ソーシャルメディア(SNS)のアクティブサポートがお金になる理由
マネタイズ予想
サービスと価格戦略
サービスの料金プランの作成方法
主要なサービスをリストアップしよう
アクティブサポート代行サービスの価格表サンプル
予測チケット数の見込みの見積もり方法
運用コストも予測しよう
[重要]クライアントへのヒアリング:アクティブサポートを行うためのポイント
-ヒアリングシートを作成しよう
SNS専用受信箱チケット管理ツールを初めてのサービス提供の手順
-アクティブサポート基準書を作成するためのチェックリスト
ソーシャルメディア(SNS)のアクティブサポート代行業がお金になる理由
代理店としてアクティブサポートの運用代行することの旨味は、「代理店=コンテンツの投稿」という狭範中のサービスから一歩先のサービスを提供することで、
・顧客に具体的な「アクション=アクティブサポート」によるマーケティング効果を可視化提供できる
・ブランドの顔となるメッセージングを企業と考えることでよりブランド力強化に寄与できる
→より幅広く安定した収益につながる
と、クライアントにとってもあなたにとっても結果や効果、そして幅広い収益チャネルにつながります。
マネタイズの予想と価格表のサンプルを作ってみよう
アクティブサポートの代行業を開始するにあたって、まずはどれくらいマネタイズが見込めるのかを知らないことにはやる気は湧きませんよね。
ここではあなたが「一人(もしくは2名のような少人数)で」代行業を行う場合のマネタイズを予想しますが、あなたが複数メンバーで行う場合はよりスケーリングします。
ソーシャルメディアのコメント監視業のように、パッケージ化していくことをお勧めしますが、3つの料金プランをベースにしてみます。まずマネタイズする前に料金プランとしてどのような売り方ができるのかを考えましょう。
・月額サブスクリプション: 月額固定料金でサービスを提供するモデル。中小企業から大企業まで、異なる料金プランを用意します。
・ 従量課金制: サポート件数や対応時間に応じた従量課金制。大量のサポートが必要な企業向けに適しています。
・パッケージプラン: 特定のサービスパッケージ(例:月額50件のサポート対応、レポート作成、アカウント管理など)を提供するモデル。
これらの料金体系をもとにプランを作成していきますが、さまざまなビジネスのスケールに合わせて請求しなくてはなりません。
特定のニッチにのみ提案するよりも、最初はさまざまな業界やスケールに合わせた料金体系を提案する方が、最初の顧客を囲いやすいでしょう。
・小規模ビジネスプラン: 月額50,000円~100,000円 ・中規模ビジネスプラン: 月額100,000円~300,000円 ・大規模ビジネスプラン: 月額300,000円~1,000,000円
サービスと価格戦略を考える
SNSアクティブサポートサービスを提供する際に、サービス内容と価格戦略を慎重に設計しましょう。
特にサービス内容は上記でも述べたように、スケールによって方向性も大きく異なります。
サービス設計 = ターゲットの規模を考慮する
ターゲット市場の特定
スモールビジネス
: 人気が出始めたブランドだが、限られた予算で効果的なアクティブエンゲージメントが求められる。
大企業(ビッグブランド)
: 高度かつプロフェッショナルなサポートと24/7対応を必要とする。特にブランドトーンの一貫性を保つことが重視されるしSLAの締結を指示される場合が多い。
サービスのパッケージ化をすることのメリット
基本パッケージ
: 小規模企業向けの基本的なサポートサービスを提供。
スタンダードパッケージ
: 中規模企業向けに、より詳細なレポートや延長営業時間対応を含む。
プレミアムパッケージ
: 大規模企業向けに、24/7対応や高度なレポート分析を提供。
サービスの具体的な内容
メッセージ・コメントのモニタリング
: 主要ソーシャルメディアプラットフォーム上でのモニタリング。
チケット管理
: 問い合わせをチケットとして管理し、対応の進捗を追跡。
自動応答とエスカレーション
: 定型的な質問に対する自動応答と、問題が複雑な場合のエスカレーション。
フォローアップ
: 問題解決後の顧客満足度の確認とフィードバックの収集。
レポート作成
: 定期的な対応状況や顧客のフィードバックに基づくレポート作成。
料金プランの作り方
料金プランを作成するには、自分がどんなサービスを提供できるか?をまず羅列し、そのサービスを最もベーシック(最低ラインのサービス)からプレミアムまでスケーリングしていくことでサービスとプランの幅を持たせることから開始します。
料金プランを作成するための第一ステップ、サービスの内容をリストアップしてみましょう。そしてこのサービスの内容にどこまで対応できるか?どれくらいの費用がかかりそうか?も計算します。
また、ブランドトーンの調整や優先順位付のフロー組み、またはSLAの設置などは、オプション料金にしても良いかもしれません。
1. "アクティブサポート代行業"としてのサービスの内容をリストアップしよう
ソーシャルメディアのアクティブサポートは、とにかくできることは多岐にわたります。
①コメントの監視、モニタリング
リアルタイムでのモニタリング: 主要ソーシャルメディアプラットフォーム上でのコメントやメッセージをリアルタイムで監視。24時間自動監視する場合もあり。
キーワードアラート設定
: 特定のキーワードが含まれるコメントやメッセージに対してアラートを設定し、即時対応。
エンゲージメント分析: コメントやメッセージのエンゲージメント率を分析し、トレンドや問題点を特定。
②コメントの非表示・削除
→コメントモデレーションの分野
スパムコメントの非表示
: スパムと判定されたコメントを自動的に非表示にする。
不適切コメントの削除
: 企業の信頼を損なうようなブランドのイメージを悪くする中傷的な内容を含む不適切なコメントを削除。
ルールベース
のフィルタリング
: 特定のキーワードやフレーズを含むコメントを自動的にフィルタリングし、非表示または削除する。
エスカレーションプロセス
: 非表示や削除に関する決定を上位担当者にエスカレーションし、必要に応じてレビューする。
③コメント返信(アクティブサポートのメイン業務)
一般的な問い合わせへの対応
: 製品やサービスに関する一般的な質問に対する対応。
顧客とのコミュニケーション
: 顧客と製品やサービスに対するポジティブなイメージやさらなるアイディアの交換をする。
クレーム対応
: クレームや不満に対する適切な対応と解決。
技術面のサポート
: 技術的な問題やトラブルシューティングに関するサポート。
④チケット管理
チケットの発行と追跡
: 受信したメッセージをチケットとして登録し、対応の進捗を追跡。
優先順位設定
: 緊急度や重要度に基づいてチケットの優先順位を設定。
チケットのエスカレーション
: 解決が難しい問題や緊急性の高い問題を上位の担当者にエスカレーション。
⑤自動応答設定
InstagramとFacebookのコメントへはDMによる定型文の自動応答
: 顧客情報を扱うような内容の場合、または公開コメントしたくない場合はDMへの誘導を自動応答化させる。
営業時間外の自動応答
: 営業時間外に受信したメッセージに対する自動返信を設定する。
⑥エスカレーションポリシーの設定
エスカレーションルールの設定
: 特定の条件でメッセージを上位の担当者にエスカレーションするルールの設定をする。
エスカレーションプロセスの管理
: エスカレーションされたチケットの進捗を管理し、迅速な解決を支援する。エスカレーション含めた解決時間をあらかじめ設定しておく。
⑦フォローアップ
フォローアップメッセージ送信
: 問題解決後に顧客にフォローアップメッセージを送信。
フォローアップタイミングの設定
: フォローアップメッセージを送信するタイミングの設定をする。スヌーズ機能として例えば「5日以内に返信が来たら」
顧客満足度調査
: フォローアップ時に顧客満足度を調査し、フィードバックを収集。
⑧チームのエンゲージメントレポート作成
カスタマーサポートの生産性レポートの作成をする。
⑨コミュニケーションのトーンとガイドライン遵守
ブランドトーンの統一
: ブランドのトーンとスタイルガイドを作成し、ガイドっラインに基づいた返信メッセージの作成をする。
→返信メッセージに使用するべき言葉や避けるべき言葉のリストに従う。
ソーシャルチャネル別のアクティブサポートの対象を決定する
クライアントに対して、どのチャネルのどの種類のエンゲージメントを対象にするか?をミーティングやヒアリングを通して決定していきます。
→コメント、メンション、DM 、ハッシュタグ投稿、メディアメンション投稿への返信
X(Twitter)
→リプライ、メンション、DMへの対応、トレンドやハッシュタグを活用したエンゲージメント対応も含む。
→コメント、メンション、メッセンジャー、レビュー投稿へのコメント返信、またグループなどでの顧客エンゲージメント
Googleビジネスプロフィール
→口コミやQ&Aへの返信
2.アクティブサポート代行サービスの価格表サンプル
サービス内容が決まったら、プランごとのレイヤーを作成してみましょう。
下に、サンプルでプランを作成してみました。事業の規模に合わせたチケット数や、報告の頻度、対応するソーシャルチャネルの数、またサポートは1日中対応するのか、限られた時間で対応するのかを含めてみました。
フォロワー数10万人〜の ティーカフェブランド GonchaのInstagramアカウント
Instagram:
エンゲージメント率: 約2% (3,000コメント/メッセージ)
サポートが必要な割合: 約5% (150件/月)
Googleビジネスプロフィール:
エンゲージメント率: 約1% (1,500口コミ/メッセージ)
サポートが必要な割合: 約10% (150件/月)
X(Twitter):
エンゲージメント率: 約1.5% (2,250コメント/メッセージ)
サポートが必要な割合: 約5% (112.5件/月)
総予測チケット数: 約412.5件/月
ここにソーシャルリスニングを通してXのブランドキーワードを含んだツイートを持ってくると、さらに増えるでしょう。
3.運用コストも予測しよう
オフィスや通信機器等などの運用費用は今回はこちらのブログ記事には含みませんが、
①人件費(トレーニング費用も含む)
自分以外のメンバーに支払う給与(インターン生を雇ったり、パートタイムで募集するのも良いでしょう)やトレーニング費用がかかります。
②ツール費用
ツールを利用せずにスプレッドシートなどで追跡等も行うことはできますが、連携や該当コメントまでのURL遷移設計など5倍以上の時間がかかるため、専用ツールの導入は必須絵しょう。
は2大コストでしょう。ツール費用はアクティブサポートに最も親和性が高く高機能な外資系ツールの中で選ぶことをお勧めしますが、価格はまちまちです。
[重要]クライアントへのヒアリング:アクティブサポートを行うためのポイント
クライアントを獲得する際に、必ず最低以下8個のポイントは抑えてヒアリングしましょう。
1. クライアントのビジネス情報
基本的なビジネス内容
提供している製品やサービスの詳細、規模。どのような問題や質問が多いか。
2. ソーシャルメディアの運用状況
現在運用中のソーシャルメディアアカウント:
使用しているソーシャルメディアチャネル(例:Instagram、X(Twitter)、Facebook、Googleビジネスなど)。
フォロワー数と平均エンゲージメント率:
各プラットフォームでのフォロワー数や平均的なエンゲージメント率。
3. サポートのニーズと今後の目標
現在のサポート体制の有無:
もしコメント返信を行なっている場合、現在行っているサポートの方法や体制。インハウスでの対応か、他の外部業者の利用状況など。
サポートの目標:
アクティブサポートを導入することで達成したい具体的な目標(例:顧客満足度の向上、対応時間の短縮、売上向上など)。
4. 問い合わせの傾向
問い合わせの種類:
よくある質問やクレームの内容はどんなものがあるのか?技術的な問題、注文に関する問題、製品に関するフィードバックなど。また、例えば「おすすめの商品」「おすすめのカスタマイズ法、コーディネート法」を聞かれた時にどのような商品をプッシュして欲しいか?も共通認識にしておく。
問い合わせのボリューム:
月間、週間、日次での問い合わせ件数の平均。
5. エスカレーションポリシー
エスカレーションルール:
。どのような場合にどの担当者にエスカレーションするか。
6. コミュニケーションのトーンとガイドライン
ブランドのトーンとスタイル:
返信メッセージにおけるブランドのトーンやスタイルガイド。フォーマル、カジュアル、フレンドリーなどの指定を合わせます。
禁止用語と推奨用語:
使用してはいけない言葉やフレーズ、および推奨される表現。
7. サポート時間と対応スピード
こちらはSLAを結ぶことによってより強化、約束がされる内容です。
サポート対応時間:
対応が必要な時間帯(営業時間、24時間対応など)。
対応スピード:
期待される初回応答時間と解決までの時間。
8. レポートと分析
レポートの頻度と内容:
レポートの提出頻度(例:月次、週次)。レポートに含めるべき内容(例:問い合わせ件数、対応時間、顧客満足度など)。
KPI(主要業績評価指標):
サポートの効果を測定するための具体的なKPI(例:平均応答時間、解決時間、顧客満足度スコアなど)。
SNS専用受信箱チケット管理ツールを初めてのサービス提供の手順
早速、クライアントのSNSアカウントのアクティブサポートを開始します。
①ツールのオンボーディング、SNSアカウントの接続と同期
ツールを選定し、クライアントから許可されたSNSアカウントを接続すると、このように数分で直近のコメントやDMなど全てのエンゲージメントが一気に同期され、チケットとして返還されます。
ツールを利用すると、このようにすでに現在対応しなければいけないチケットがいくつあるのか、またコメントのおおよその内容などが一覧化できるので非常に便利です。
ツールによってどれくらい過去のコメントや投稿に遡れるのか異なりますが、StatusbrewではEnterprisesプランを導入すると12ヶ月前の投稿にも遡ることができます。
②コメントやメッセージのフォルダ分けの自動化
データを同期してチケット化が完了したら、アクティブサポートを開始しやすいように、これから入ってくるコメントを自動的に種類によって分けてしまいましょう。
チケットのフォルダ分けの方法は様々ありますが、
おすすめ振り分け基準
キーワード
: 特定のキーワードやフレーズに基づいてします。
カテゴリ
: メッセージの内容をカテゴリに分類(例:注文、製品、支払いなど)。
プラットフォーム
: メッセージがどのソーシャルメディアプラットフォームから来たかを基に分類。(例:InstagramのDMなのか?Xのリプライなのか?)
センチメント
: メッセージの感情に基づいて分類します。ネガティブなメッセージは迅速に対応する必要があるため、優先度が高くなることが多いです。
など、クライアントとのヒアリングで得た情報でフィルタリングします。
DM担当者ごと、商品やサービスの種類によって詳しい担当者ごと、など
③クライアントや必要メンバーの設置
もし自分たちでは回答できない、解決できないようなクエリがある場合は、エスカレーションを行います。
エスカレーション先として、すぐにクライアントや担当者に通知がいくようにツール内でエスカレーションのワークフローを組んでおくと良いでしょう。
Statusbrewのようなツールでは自動で通知やエスカレーションも行うことができるため、重要なチケットをどんどん後回しにする必要はありません。
④優先順位を確立する
ソーシャルメディアのアクティブサポートで最も重要といっても過言ではない、この優先度の付け方ですが、以下におすすめのベストプラクティスを紹介します。
担当者やチームにチケットを割り当てるには企業によって様々な方法があるかと思いますが、ここではベストプラクティスを紹介します。
①緊急度: 顧客に与える即時の影響度合い →支払いトラブルなど ②影響度: 問題がどれだけ多くの顧客に影響を与えるか? →全顧客になのか?このユーザー本人だけなのか? ③センチメント: ネガティブよりなのか? ④顧客自身の影響力 →インフルエンサーのような存在なのか?それとも頻繁にサービスを利用してくれているロイヤリティの高いお得意様なのか? ⑤カテゴリの重要度: →注文に関すること、例えば注文キャンセル、変更、未達などの問題は、顧客体験に直接影響するため優先度が高くあるべきです。 ⑥時間の経過: →問い合わせが未対応のままどれくらい経過しているか。長時間放置されている問題は優先的に処理したほうが良いです。
⑤はじめてのレポートを出して効果測定、報告、調整計画を立てる
できれば初月は、
・1週間後に初回の週間レポートを作成してみましょう。
例えば1週間のうちに5日(8時間のみのサポート)があった場合、すべてのチケット数、またクローズ(解決)できたチケット数を出してみましょう。
その1つのチケットに対して初めて返信するまでにどのくらいの時間を有してしまったのかまでをデータとしてみてみましょう。
・1ヶ月後に、同じデータと、さらに今度はメンバー別の成績表と、クエリ別(担当する商品やサービス、問い合わせ内容)にかかった時間やクローズ数をレポートで出してみましょう。時間がかかっている内容に対しては、より返信が早い適任者をアサインしたりと改善を繰り返しましょう。
またユーザーのセンチメントの切り替わりもスコアリングして顧客満足度をレポートするときっとクライアントに喜ばれるでしょう。
-アクティブサポート基準書を作成するためのチェックリスト
最後に、ソーシャルメディアのアクティブサポートをクライアントの代行として行う場合、ヒアリング時〜契約時の基準書を作成する際に欠かせないポイントをチェックリストにまとめました。
開始時点でヒアリング、また決定しておかなければのちにトラブルや認識の違いの元になりかねないのが、
・SLA(サービスの基準)
→返信時間や解決時間が含まれる
・エスカレーションやフォローアップの必要度
・ブランドトーン
です。またどのようなレポート内容をどれくらいの頻度で必要か?も確認しましょう。
SNSのアクティブサポートはきっと今後よりマネタイズチャネルとして伸びる市場です。Statusbrewとともに挑戦してみませんか?それではまた!