Social Media Manager(ソーシャルメディアマネージャー)
ソーシャルメディアマネージャーという存在は、あなたが企業やブランドのためにソーシャルを運用するのであれば、必ず一人は配置するべき非常に重要な役割です。
ソーシャルメディアマネージャーは、企業ブランドがソーシャルメディアというマーケティングチャネルをブランド構築の戦略に用いる場合、コンテンツの計画から開発、実行、エンゲージ戦略からブランド評判の維持まで、全ての責任を負う役割のことです。
ブランドのオンライン上の価値や規模に左右するため、高い能力が求められます。
「投稿するだけ」だから簡単だと思われがちなソーシャルメディアマーケティング
ソーシャルメディアは、まだたった10年ほどのマーケティング手法のため、写真を撮影してアップするだけで、仕事というよりは個人が日常をシェアする目的である認識が強いため、イメージとして簡単で楽であると思われがちです。
ただ実際は、
ブランドの一貫性を常に見張るブランドマネージャーにもなり得るし、
市場調査を含め長期目線でブランドがどのように成長すべきか戦略立てるブランドストラテジストにもなり得るし、
ソーシャルチャネル向けのコンテンツの計画立てから設計と公開までの手順全ての指示とフォロー、オーガニックだけではターゲットオーディエンスにリーチしていない場合は、マーケティング目標を達成するためにソーシャルメディア広告キャンペーンを管理するマーケティングマネージャーにもなり得るし、
ソーシャル上では総称としてエンゲージメントと呼ばれるブランドの声となるDMやメンション、コメント全てに目を通してお客様との接点を保ち続け、ブランド評判を守るカスタマーサポートマネージャーにもなり得るし、
エディトリアルカレンダーを立ち上げて、他チームとのコンテンツの配信を意識しながらソーシャル専用のコンテンツ計画を行い、検索エンジン(SEO)やソーシャル特有のアルゴリズムでの可視性を高めるために、ソーシャルメディアコンテンツを最適化するためのコンテンツストラテジストにもなりえます。
具体的になにをする?ソーシャルメディアマネージャー
ソーシャルメディアマネージャーとはなにを具体的にするのか、を知りたい場合はぜひ求人票を見てみましょう。下記は、ビジネス特化ソーシャルLinkedIn(Microsoft社)の求人検索結果です。
世界的言語学習アプリであるDuolingoも同職を募集していますね。
ではソーシャルメディアマネージャーのデイリールーティーンを具体的にすることで、仕事のイメージが湧くでしょう。
キャンペーンの立ち上げとソーシャル上の戦略を合致させる、目標を決定する
コンテンツ制作の舵取り(クリエイティブチームや広報チームとの協業)
ソーシャルメディアに投稿を発信するまでの作成と公開の監督
ソーシャル上の顧客からのフィードバックへの返信対応の指揮
キャンペーンの成果の分析と改善
ソーシャルメディア上のトレンドの把握と継続的な学習
ソーシャルメディアマネージャーが日々関わる人たち
ソーシャルメディアマネージャーは、最も「人と関わる」仕事だと呼んでも過言ではありません。
ソーシャルメディアマネージャーはまず、
自社のイベントカレンダーを熟知
自社の業界カレンダーを熟知
自社のプロダクトと競合のプロダクトを熟知
しておく必要があります。この全てをもってコンテンツの発信を計画するために前倒しで全ての関係者とのアライアンスを組んでいくからです。
マーケティングマネージャー: 長期中期短期の全体のマーケティング戦略において多くを占めるであろうソーシャル戦略の方向性などがあっているか?認識を調整するため最も関わるべきでしょう。
ブランドマネージャー: 自分が考える発信コンテンツがブランディング、カラーパレットなど全て通して一貫性があるかどうか、伝えたいメッセージやストーリーテリングは一致しているか、の確認作業は日常的に必要です。
広報チーム: 広報チームから、プレスリリースや公式声明、画像、動画などの必要なコンテンツをソーシャルメディアマネージャーに提供されます、彼らのイメージ通りにソーシャル専用に置き換えた発信をすることもソーシャルメディアマネージャーの仕事です。
法務部: 特に大きなコーポレートの場合、発信内容が広告表記法や自社のコンプライアンス上誤解を招かないような内容であるかを打診する際に必要です。
クリエイティブチーム: 視覚的なコンテンツである画像や動画、必要であればインフォグラフィックを作成するデザイナー、コピーライティング担当者、動画の撮影部隊であるグラファー、エディターなどのクリエイティブチーム、必要あれば撮影場所や内容の調整も一緒に行います。
これらの部門やチームとの協力が、効果的なソーシャルメディア運用には不可欠です。クリエイティブチームとの連携により、視覚的に魅力的でブランドに合ったコンテンツを制作することが可能になるからです。
計画倒れを起こさないために企業に絶対に一人は配置したい!
ソーシャルメディアマネージャーという存在は、企業ブランドに必ず一人配置すべきでしょう。すでに「SNS運用担当者」はいるかもしれませんが、上記の責任や役割を業務に落とし込めているでしょうか?
ソーシャルというチャネルを通してブランドの価値観や重要性を伝えていく作業は非常に長期的かつ、さまざまなコミュニケーションツールやソーシャルメディアマーケティングツールとの利用を考えると、キャンペーンやブランドの一貫性を保ち続けるための計画倒れ、途中で放置になることを防ぐために、企業はこの人的リソースへの投資が今後ますます必要になるでしょう。
ソーシャルメディアマネージャー vs 代理店への外注
ソーシャルメディアの管理をインハウスのソーシャルメディアマネージャーに任せるか、代理店に外注するかについて、それぞれのメリットとデメリットがります。
まず自社でソーシャルメディアマネージャーを採用する最大の利点は、
自社ブランドのサービスや商品の理解の高さ
社内にいるため、リアルタイムでの対応が可能です。特に炎上やネガティブなフィードバックを受け取った時の緊急時の対応やクライシスマネジメントが迅速に行えます。
社内の他の部門と密接に連携できるため、マーケティング戦略やキャンペーンがより統合的に実行できます。
ただしその分で、「マネージャーとしてのキャパオーバー」が非常によく見られる仕事でもあります。一人のマネージャーが担当する場合、リソースが限られるため、大規模なキャンペーンや多様なタスクに対応するのが難しいことがあります。そしてこれまでの説明の通り、多岐にわたるスキルが求められるため、カバーが難しい場合も出てくるでしょう。
逆に、ソーシャルメディアマーケティングの代理店に外注する場合のメリットとして、
代理店は他にも多くのクライアント=多様なブランドと仕事をしているため、最新のトレンドやベストプラクティスに精通しています。これは彼らもトライ&エラーを繰り返している経験値の高さから来ています。また、専門知識を持つ複数のスタッフが対応してくれることは最大の利点でしょう。
また、スケールにも対応できるキャパシティがあります。普段から複数のプロジェクトを同時に進行できるリソースとスケールがあるため、大規模なキャンペーンや急な増加にも対応できます。
デメリットといえば、どうしても代理店はクライアント企業の内部事情やブランド、文化を深く理解するのが難しく、一貫したブランドメッセージを発信するのが難しいことがあります。これはもちろん代理店によりますが、自社ブランドの人間であるあなたがいかにブランドストーリーを伝えるスキルがあるか、共通の認識を持てるようになるまで取り組める忍耐強さがあるかにもかかっているのです。