Social Media Marketing(ソーシャルメディアマーケティング)

マーケティングの黄金時代の始まりは1953年、アメリカ合衆国の世帯の半分以上がテレビを家に置くようになってからです。

マーケティング手法は主に広告であり、予算のかなりの部分をブランドや製品の認知度を高めるために費やした優良製造業や消費財企業に支配されていました。

引用:1960s Ad Vintage Advertisement Budweiser Beer

これはいわゆるマーケティング1.0と呼ばれるマーケティングという黄金時期の始まりでしたが、需要と供給のバランスが変化しつつある激しい時代背景の中に、マーケティングに、市場のセグメント分けや、ターゲッティングといった、共通の嗜好を持つ消費者に絞り、そこに対してカスタマイズした商品を売るという仕組みができました。

ここからマーク・ザッカーバーグ率いるFacebook社(現Meta社)は3.0の時代をスタートさせ、新しいネットワークを作り、そこから人と人のバイラル(拡散)を利用したネットワークから価値を引き出す大競争時代が始まりました。

この先駆けとなったのは、Facebook、MySpace(懐かしくないですか?)、LinkedIn、Twitterそして日本ではmixiは、ユーザーやUGC(ユーザー生成コンテンツ)によって作成されたコンテンツからマーケティング素材にすることを学びました。あ

ソーシャルメディアマーケティングとは、ソーシャルチャネル上にコンテンツを作成し、あなたの企業ブランドの製品やサービスのプロモーション、ターゲット層とのコミュニティ形成、ビジネスへのトラフィックの誘導を行うプロセスを指します。

これには、ただ単にコンテンツを一方的に発信するのではなく、企業のブランドメッセージとして、実際のソーシャル上のオーディエンスとの接点をメッセージやコメントを通して行い、良いバイラルを生み出すことも目標の一つとされているのが大きな特徴です。

ソーシャルメディアマーケティングの醍醐味

「マーケティング」とは、言わずもがな「商品やサービスが売れる仕組みをつくること」ですが、言ってしまえば

  • バズマーケティング

    (炎上マーケティング)

  • ティッシュマーケティング(路上で広告付きポケットティッシュを配るもの)

  • タクシーのパネル広告

  • ステルスマーケティング

もマーケティングですよね。

など多くのマーケティング手法の中でソーシャルメディアはいうまでもなく、世界中どの国でも受け入れられるマーケティング手法です。

ソーシャルメディアは、日本国内ではなく完全に海外向けのアカウントを設立し、正しく運用するだけで最も世界中のオーディエンスにリーチがしやすいことから、海外進出の際にはStatusbrewからも推奨しているマーケティング手法です。

ソーシャルメディアは、ソーシャルプラットフォームと呼ばれる、各ターゲット層が最も多く存在する最適なプラットフォームを選び、その中でオーディエンスに狙いを定めてオーガニックコンテンツを発信したり、有料広告を出稿することから始めます。

例えばあなたは「ペットフード」のブランドを経営していて、名前の通り食品が商品であったとします。それがマーケットの土台に乗ると確定している前提で、まず最初にソーシャルメディアマーケティングおいてやることはこの通りです。

1.ブランド・アイデンティティやブランドアセットのリストアップ

2.ターゲット市場へのマーケティング戦略理解(プロダクトUSP・価格決定など)

3.競合アカウントのリサーチ

4.ターゲット国、ローカルにおけるペルソナグループ設定

5.ペルソナインタビュー(できれば直接取材が好ましい)

6.カスタマージャーニーマップ作成

7.仮説検証ポイントの設定(すでに懸念点がある場合は必ず書き留める)

8.コンテンツプラン作成

(1)あなたのブランドは今どこのフェーズ?KGIとKPIをの初期設計

どのマーケティング手法でもそうですが、ソーシャルメディアでも自社のソーシャルメディア運用の目的、達成したいKGI・KPIを明確にして必ず実行する強い意思表示が社内で必要です。

このためには、ブランドの市場におけるフェーズの理解も重要です。例えばあなたが「日本ではなくA国」という海外市場にセットアップしたばかりのブランドの場合は、まずはコンテンツを継続して配信することが最初の指標になります。

きっとこれまで「20個ほど投稿がしてあるけど6ヶ月前から更新が止まっている」ようなアカウントを、個人レベルで見かけたことがあるかもしれません。

逆にコンテンツ発信を継続していくことで、ブランド認知が高まりだすと、エンゲージメントの創出が次の課題になってきます。こうなると、ただコンテンツを配信するだけでなく、綿密なコンテンツ戦略、計測やコメンティングが必要になります。自社がどのフェーズにいて、どういった目的を達成したいのかを言語化することが大切です。

もっともっと行動に移すためのOKRを知っておこう

ここでよく語られる、KGIとKPIというエンティティに対して、もう一つ違った角度からの指標が存在します。それがOKR(OはObjective(目標)、KRはkey Results(主要な結果))です。

OKRは、かのIntel社のリーダーであるアンディ・グローブ氏が考案し、彼の弟子であるジョン・ドアー氏が唱えた目標設定手法です。

KGIというビジネス目標を達成するために、実際にそれに基づくKPIを達成するために必要な「実際の行動」を明確にするものです。

目的を設置し、それに対して結果となるアクションも同時にペアリングします。

これらがマイルストーンベンチマークであり、明確で測定可能な結果をもって、どのように背伸びしたようにも見える目標に取り組むかを説明するものです。

例えば、同様にあなたがペットフードブランドを持っているとして、このブランドの売り上げを日本だけではなくグローバル規模で増やしたいとします。

そのための行動結果として、以下のような具体例をセットアップするのです。

1.ECサイトのチェックアウトフローのコンバージョンを 40% UPさせる 2.今期、ネットワークイベントに3回参加する 3.週に1回、ブログ記事を公開する 4.第3四半期の全社会議で調査結果を発表する 5.マーケティングチーム用に5つのメールテンプレートを作成する

(2)ソーシャルチャネルの選定基準

ソーシャルメディアプラットフォーム(ソーシャルチャネル)の選定基準から始めなければいけない場合、それぞれのプラットフォームの活用方法はどのように異なるか、またブランドによって最初から利用しないプラットフォームはあるのかも考えましょう。

ソーシャルチャネルは、あなたも普段、友人知人とのコミュニケーションで自分のプライベートをシェアしたり、気になる商品を検索したりするために使っているであろう、主要なチャネルのことです。

それは

  • Instagram(幅広いビジュアルコンテンツ生成の宝庫で、ブランドがコラボレーションやカタログを発表して直の購買にまで繋げやすい)

  • Twitter(X)(テキスト主体でブランドストーリーなど訴えやすく、そのためカスタマーのフィードバックもバイラルを起こしやすいため、ソーシャル上のカスタマーサポートなどに最も利用しやすい)

  • Facebook(Instagramとの親和性が高い、コミュニティに入りやすい)

  • Googleビジネスプロフィール(実店舗型ビジネスオーナー向け、口コミへの返信を真摯に対応することで好感度が上がり、お店の姿勢をアピールできる)

  • YouTube(動画コンテンツとして教育系メディアなどどの業界でも利用できる、ファンを持つとロイヤリティが高くなる)

  • TikTok(拡散性やインプレッションが高く、伸びやすい。どの業界も導入しやすい)

  • LinkedIn(Linkedinユーザーは、すべてのチャネルの中で最も正確で詳細な個人情報を個人アカウントに提示している)

  • Pinterest(検索型ソーシャルで、興味関心や「欲しい」がはっきりしている確度の高いユーザーの目に止まれば吉)

  • WhatsAppやLINE(ブランドをすでに知っている実際の顧客または見込み顧客へのダイレクトブランディングと接客が一度に叶う)

  • Threads

でしょう。

例えばインドではTikTokは国単位の規制により使えないので、PinterestやSnapchat、YouTubeでコンテンツ発信するなど、ターゲット国で使えるチャネル幅があることもとめておきましょう。

ターゲットオーディエンスによって使用するプラットフォームは異なります。適切なプラットフォームを選定するたために、ペルソナグループの設定およびカスタマージャーニー、カスタマーインタビューを実施し、ターゲットオーディエンスのデジタルタッチポイントを見極めます。

競合他社のプロダクトを宣伝するコンテンツがどこでリーチを集めているのか?をリサーチするためにも、競合リサーチが必要になります。競合他社がいるプラットフォームに上陸することは、最も最初のうちはやるべきと言って良いでしょう。

ソーシャルメディアマーケティングで生み出される貴重な財産は顧客のメッセージである

ソーシャルメディアマーケティングの最大の強みは、「コンテンツを公開できる」ことではなく、顧客と生み出されるメッセージです。

ブランドとしての認知度が上がってくると、エンゲージメントと呼ばれる

  • コメント

  • DM

  • メンション

  • ビジター投稿

  • 口コミ

がユーザーやライバル企業からどんどん生成されるようになります。これはどのビジネスでも共通して企業がコントロールできないものですが、だからこそこのユーザーエンゲージメントを「顧客との接点としてビジネスに活かせるかどうか」にかかってくるのです。

ユーザーエンゲージメントを高めるための施策や工夫はどのようなものがあるでしょうか? ソーシャルメディアを利用するのであれば、これだけは「絶対にやってください」と強く言える唯一のことが、ソーシャルメディア上のアクティブサポートです。

ソーシャルメディアにおいてコメンティングは、ターゲットオーディエンスとのエンゲージメントを高めていく最良の手段だからです。

また、ソーシャルメディアでは、せっかくフォロワーを獲得したとしても、全てのフォロワーがあなたの投稿を見てくれるわけではありません。だからこそ、1人でも多くの初期時代の大切なユーザーとのエンゲージを必ずInstgaramやLinkedIn、Facebook上で取りましょう。

そしてできるのであれば、直接あなたのアカウント投稿に寄せられるコメントだけではなく、ソーシャルリスニングを通してあなたのブランドや商品へのフィードバックに対して、こちらから反応してソーシャルセリングを加速させましょう。

ユーザーが商品を購入前、また購入中、購入後もカスタマーケア部隊を作り、ユーザーの声に直接答える、「会話」を生成することに何よりも投資しましょう。

特に、あなたの商品やサービスに関してターゲット国においてネガティブなフィードバック、コメントはつきものです。このネガティブなコメントこそ、必ず返信しましょう。 一方で、ローカルの方のパーソナリティや文化特性を理解していない場合、ネガティブインプレッションを与えないかと心配され、どういったコメントをしていいか悩む場合は、こんな時こそ現地に特化したマーケティング代理店に外注しましょう。 その他には、対話型コンテンツ戦略制作、リアルな定期イベントとソーシャルメディアコンテンツの連携、インフルエンサーとの連携、ローカルイベントやターゲットオーディエンスの興味関心度の高いイベントに合わせたキャンペーンの実施などがあります。