CPA - Customer Acquisition Cost (顧客獲得単価)
顧客獲得単価(CPA)は、マーケティング担当者がトラッキングおよび測定する必要がある最も重要な指標の1つです。 どうしてでしょうか?なぜならCPAは、新規顧客がどれだけコストをかけているかの見積もりを表すのに加えて、マーケティングとセールスの戦略を修正する必要があるかどうかを判断するのに役立ちます。
成功の指標であるコンバージョン率とは異なり、顧客獲得単価(CPA)は、マーケティングキャンペーンの収益への影響を測定するために使用される財務指標です。業界に関係なく、すべてのビジネスにとって顧客獲得あたりのコストとは何か、それを正しく計算する方法を知ることはマーケターにとって必要不可欠です。 ここでは、次のことについて話します。
CACとCPAの違いは? CPAとよく似た言葉に、CACというものがあります。CPAはCost Per ActionもしくはCost Per Acquisitionの略で、CACはCustomer Acquisition Costで意味はCPAと同じく顧客獲得単価です。CACとCPAは同じ意味の用語ですが、使用される場面が異なるのです。
CACは、主に自社サービス全体の顧客獲得単価を指す際に用いられる言葉です。一方CPAは、デジタル広告(Googleやソーシャルメディア)の分野で使用されます。1人の顧客獲得に必要となった広告費用を表すときに、CPAというワードが用いられます。
CPAとは?
Cost Per ActionとCost Per Acquisition
CPAの計算方法
CPAを指標とするメリットと背メリット
Cost Per Acquisition と Cost Per Click (CPC)
CPAを削減する方法
CPA (Cost Per Acquisition)とは?
Cost Per Acquisitionとは顧客獲得単価と日本語で訳されている、コンバージョンにつながるアクションを実行した顧客の累積コストを測定するマーケティング指標です。見込み顧客が行った特定のアクションに対してのみ利益を請求できるデジタル広告の支払いモデルとして知られています。特にCPCと比べられることが多いです。このアクションとは、例えばニュースレターのサインアップからリンクのクリックや実際の購入まで、コンバージョンのタイプが様々でありながら、広告主によって決定されます。
さらにいえば、必要に応じて幅広く適用することも、狭めることもできますが、多くの場合、デジタル広告支出に関連して使用されます。 デジタル広告とは、GoogleやBing広告、そしてFacebookなどのソーシャルメディア広告です。コンバージョンあたりの費用やインプレッションあたりの費用(CPM)とは対照的に、CPAは最初のサインアップから顧客獲得までの全過程の費用に焦点を当てていることが特徴です。
コンバージョンは「売り上げ」と同義の場合がありますが、ウェブサイトのクリック、アプリなどのダウンロード、インストールの場合もあります。
広告ネットワークでは、CPA、CPC(クリックあたりのコスト)、およびCPM(1,000インプレッションあたりのコスト)のいずれかの入札単価を選択できます。マーケターがCPA入札を好む理由は、直接的でわかりやすい結果に対して料金を支払い、チャネル全体のパフォーマンスを比較できるためです。例えばGoogle広告とInstagram広告、どちらのパフォーマンスが良いか、などですね。最も費用対効果の高いチャネルに投資しているか、だけでなく、さまざまなマーケティング活動の成功を評価するのに役立ちます。
Cost Per ActionとCost Per Acquisition
この2つの用語はほぼ同じ意味で使用されますが、Cost Per Acquisitionは、1人の有料化顧客を獲得するまでのコストを測定する財務的な指標というニュアンスが強いです。
CPA - 顧客獲得単価の計算方法
CPAを計算するためのシンプルな数式は次のとおりです。
CPA = キャンペーンの総費用 ÷ コンバージョン数
もっと詳しくいうと...
($)は金額が入ります、(#)は人数なので数値が入ります。
($)特定のチャネルまたはキャンペーンを介して新規顧客を獲得するために費やされた合計 ÷ (#)同じチャネルまたはキャンペーンを介して獲得された新規顧客 =($)CPA
メディア支出の計算の場合:
($)メディア費用の合計 ÷(#)メディア経由で獲得した新規顧客 =($)CPA
Example:
花のブーケを販売するオンラインショップでFacebookキャンペーン広告を打ち出しているとします。そのキャンペーンの総予算が$500でした。キャンペーン期間が終了した後、25人から売上がありました。 それでは、このキャンペーンのCPAはいくらになるでしょうか? $500のキャンペーン費用/ 25のコンバージョン= $20のCPAになりますね。
しかし、この$20という数字が良いCPAか悪いCPAかをどうやって知るのでしょうか?
それにはCLVという新しい指標を出すことが求められます。CPAとLTVは密接に関連しています。 CLV(Customer Lifetime Value)は、ある顧客が生涯のうち、あなたのビジネスに費やす合計金額のことです。ですから数値は金額表記にならなければなりません。
各顧客のCLVという指標を出さないといけない理由は、ある1人の顧客を獲得するために、得られる売り上げ以上の費用を投じていないかをチェックするためではなく、あなたのビジネス戦略に最も効果的なチャネルを決定する必要もあるためです。どのビジネスオーナーやマーケターも、何か施策を撃ち出すときは、それを効果測定しなければいけません。自分の行いが正しいのか、悪いのかをジャッジする=各チャネルのCVL> CPAになっていることを常に確認する必要があります。
目標となるCPAを計算してみるには
目標の顧客獲得単価は、新しい顧客を獲得するためにあなたの事業部やあなた自身が割り当てることができる予算によって決まります。その予算を決定するには、まず、顧客の顧客生涯価値(Customer Lifetime Value)を計算する必要があります。 CLVは、平均的な顧客が関係の存続期間にわたってビジネスにもたらす金額です。
ステップ1:CLVを計算する
ビジネス目標に応じて、CTVを決定する方法はいくつかあります。
ケースA:
前の例に戻りましょう。あなたは花のブーケセットを販売するオンラインショップのオーナーとします。1種類のブーケしかなく、価格が1つあたり$10の場合、CLVは$10ですね。顧客がその場で1度だけ支払う場合、顧客が支払う平均金額がCLVになります。
ケースB:
定期的に花束を顧客にデリバリーするサービスがあります。つまりサブスクリプションモデルのビジネスになりますが、チャーン率(毎月、サービスへのサブスクリプションを解約する顧客の割合)と予想される毎月の収益も含める必要があります。この場合、CLVの計算式は、顧客 ÷ 解約率ごとの平均月間収益になります。
毎月のサブスクリプションが$100の場合、顧客あたりの平均収益も$100になります。また、毎月25%の顧客がサブスクリプションをキャンセルすると、解約率は25%になります。つまり、CLVは100 ÷ 0.25 = $400です。
ステップ2:マーケティングに費やすことができる予算を決定する
平均CLVが決定したら、それをどれだけマーケティングに再度割り当てできるかを調べます。そのためには、運用コストがどれくらいかを知る必要があります。CPA目標は、マーケティング以外の固定費によって決まります。固定費が高い場合、収益性を維持するには低いCPAが必要ですが、固定費が低い場合は、より高いCPAを支払うことができます。
月のオペレーションコストが$1000で、CLVが$400の場合、CLVの40%が運用コストに充てられます。つまり、費やすことができる(そして収益性を維持する)ことができる最大額は$ 159($ 400 × 0.4 = $ 160)です。
CPAをトラッキングする方法
Googleアナリティクス:ソース、メディア、キャンペーンを示すタグ付けされたリンクを使用して、コンバージョンを追跡できます。 追跡するアクションに応じて、「この度はお買い上げありがとうございます」などといったページにトラッキングコードを付与して実験することもできます。(これは、完了したダウンロードまたはサブスクリプションの正確な数を取得するために最も一般的に使用されます)。
バウチャーコード:メールやソーシャルメディアキャンペーンで特に効果的です。買い物客がチェックアウト時に入力するバウチャーコードは、オンライン小売業者の大多数が採用する、実装が簡単で費用効果の高いツールです。
CPAを削減する方法
以下に、顧客獲得あたりのコストを削減するのに役立つベストプラクティスです。
1.ランディングページの最適化
ランディングページは、広告をクリックした後にユーザーが最初に目にするものであるため、コンバージョンに大きな影響を与えます。そしてGoogle広告の記事でも説明しましたが、より広告の内容とこのランディングページが関連性が深いものでなければいけませんし、ランディングページ自体もユーザーのクエリを満たすものでなければいけません。ランディングページの効果を測定するには、そのページの1つの特性を変更するA / Bテストを実行します。
たとえば、トラフィックの半分を一般的なランディングページに、残りの半分をターゲットを絞ったオファーのあるページに誘導し、どちらがより良い結果をもたらすかを決定できます。これにより、どのようなランディングページが最も多くのコンバージョンをもたらし、CPAを長期的に削減するのに役立つかがわかります。
ランディングページの最適化について、マーケティングの考え方の一つであるJobs-To-Be-Doneメゾットを用いたより具体的な方法についてまとめたStatusbrew日本公式ブログもご参照ください。
2.チェックアウトプロセスの最適化
オンラインショップのショップカートのチェックアウトの平均離脱率は68%で、チェックアウト時にカートを放棄する最大の理由は不明確な金額の表示です。そのため、送料や消費税さらには割引を含めた購入の合計金額を合計料金に必ず明確に提示します。
ユーザーがチェックアウト時にカートを放棄するその他の理由は、技術的な問題(ウェブサイトのタイムアウト、ウェブサイトのクラッシュ、画面のフリーズなど)もあります。顧客により快適なエクスペリエンスを提供することで、獲得あたりのコストも削減されます。
3.リターゲティング
リターゲティング/リマーケティングは、ウェブサイトから直帰したユーザーにリーチするのに役立ちます。見込み顧客とつながることで、見込み顧客を顧客に変えることができます。つまり、一度は引き寄せたユーザーをリターゲティング手法を使用してコンバージョン率を上げると、新しく集客する費用がかからないので、CPAを削減できます。
ECビジネスの場合、ショッピングカートを放棄したユーザーに向けてリターゲティングすると良いでしょう。例えば広告やメールの送信です。こういったユーザーはリターゲティングにより商品やサービスを思い出して戻ってくる場合が多いです。
4.パーソナライズする
また広告でいえばFacebookは膨大なデータを元にした細かいターゲット指定ができるので、パーソナライズされた広告といえばソーシャルメディアも十分に活用できます。
6.ターゲットとなる場所へのパレートの法則を使う
売り上げの80%は、ターゲットとする地域の20%から来ています。したがって、これらの場所に予算を集中させることで、より多くの売り上げを生み出し、CPAを下げることができます。
売り上げが安定的に増え始めて、支出する予算が増えたら、また1に戻ってまだ売り上げの少ない場所に集中的にターゲット化していくことができます。
7. Google品質スコアの向上
品質スコアを改善するには、ビジネスに最も関連性の高いキーワードグループを見つけ、UXを強化する必要があります。これにより、広告のクリック率も向上します。改善された品質スコアは、クリック単価(CPC)とCPAの削減につながります。
これらの方法は、獲得あたりのコストを大幅に削減します。つまり、ターゲットKPIに到達するための予算が大きくなります。