Audience (オーディエンス)

ソーシャルメディアにおけるオーディエンスとは、あなたの公開するコンテンツにリーチするユーザー集団のことを指します。オーディエンスという単語の意味合いには、あなたの既存フォロワーやページのファン、と、フィード上であなたの投稿になんらかのアクションをする人が全て含まれています。

このオーディエンスこそがソーシャルメディア上で最も重要な要素になります。なぜなら彼らがいなければ、あなたの商品は買ってもらえることはありませんし、何よりもこのオーディエンスの一つ一つのアクションが動向を探ることに繋がるからです。

ソーシャルメディアのオーディエンスを増やすことは、あなたのブランドの認知度を高めるため、そして実際にあなたのビジネスの顧客にするための最良の方法の1つです。
なぜなら、オーディエンスがリーチとなり、リーチがエンゲージメント、そしてファン=フォロワーにつながるからです。

こちらのマトリクスをご覧ください。マーケティング目標と、マーケティングチャネルをマッピングしてみました。数多くあるマーケティング手法の中でも、ソーシャルメディアはブランドの認知とエンゲージメントを勝ち取るために、ちょうど良い頃合いのポジションにいますね。

これらの目標を達成しているかどうかを図るには、本記事のテーマであるオーディエンスを分析する必要があります。

このオーディエンスと呼ばれるソーシャル上の集団のアクティビティの傾向を計測するためのものが、数多くある分析指標に現れています、いかにオーディエンスが大切なのかわかります。

ソーシャルメディアマーケティングの取り組みを最適化するには、顧客になるオーディエンスが誰であり、そのオーディエンスがもっとも24時間中の時間を費やしているソーシャルネットワークを知ることが重要です。

こちらの記事では、オーディエンスをファンにするためのフレームワークをご紹介します。

1. 現時点のオーディエンス=リーチを把握する

オーディエンス分析は、もちろんデモグラフィック分析なども大切ですが、何よりも現在の数字を把握することが一番です。

なぜならどれくらいの母数となる数が、あなたのコンテンツにリーチしていて、そのリーチが実際にビジネス本体への流入の役割を果たしているのか?

またソーシャルメディアを使ったマーケティング効果は金額にするとどれほどあなたの毎月の売り上げに貢献しているのでしょうか?

例えばあなたが、Eコマースでペット用品を売っている場合、Instagramなどのソーシャルメディアからの流入を見込みたい時、月に20万円分の売り上げが必要な時、まずはどれくらいのユーザーにあなたのブランドのInstagramページにリーチしてもらい、実際に商品ページにたどり着き購入してもらわないといけないか、逆算できますよね。

オーディエンス、つまりリーチが最低〜人いないと、Instagramマーケティングに投資している意味がない、と次々に良い判断をするためにも母数を知りましょう。

現在、あなたがすでにソーシャルメディアでマーケティングを行なっている場合、現時点でのオーディエンス分析を行いましょう。

オーディエンス分析とは、

  • あなたのコンテンツにリーチしてきているオーディエンスは、フォロワーの数より多いか、少ないか
  • オーディエンスの属性

を主にデータ化することです。

下記のデータをご覧ください。フォロワー数とリーチ数を日毎にデータ化したものです。

フォロワーの数に比べてリーチ、つまりオーディエンスがあなたのコンテンツに行き着いていない、浸透していないことがわかります。

もちろん、投稿を公開したら、すべてのフォロワーにあなたのコンテンツが到達するわけではありませんが、リーチ数をいかに獲得していくかが要となります。

そして、リーチがフォロワーにつながっているか?も同時に分析する際に見るべきでしょう。例えば下記のデータだと、リーチはあるもののフォロワーの成長には繋がっていない日が多いです。(成長がマイナスになる)。これはもしかすると、あなたのターゲット・オーディエンス層に行き届いていないと懸念すべきでしょう。

 

2. 理想的なターゲットオーディエンスを特定する

まず、ターゲットオーディエンスとは何なのかを理解することから始めましょう。簡単に言うと、ターゲットオーディエンスとは、あなたの商品やオファーに興味を持つ可能性が最も高い人々のグループのことを指します。そして、このグループのメンバーには、共通の特徴があります。

ターゲットを「見つける」前に、その人がどんな人なのかを知る必要があります。それがマーケティングで「ペルソナ」と呼ばれるものですね。

ソーシャルメディアマーケティングキャンペーンを成功させるために必要な、実用的な情報を持つ顧客ペルソナを設計しましょう。これは、所得水準、教育水準、配偶者の有無など、基本的な顧客属性を特定するだけではありません。

本当にソーシャルメディアマーケティングであなたのオーディエンスを獲得したい場合、下記の質問に答えてみましょう。

  • オーディエンスがあなたの業界の商品の情報を得るための好きなソーシャルプラットフォーム(Twitter、Instagram、それともYouTube?)
  • 好んで読むコンテンツの種類(ブログ記事、動画、リールなどのトピックとフォーマット)
  • よく議論されるトピック(ニュース、人物、イベント?)
  • フォローしている、情報の発信源として信頼できる人たちは誰?(インフルエンサー、リーダー、ブランド、ブロガー?)

 

このような知識があれば、自分のトライブをより深く理解できるだけでなく、どのようなコンテンツを作ればよいかもわかります。

では、いきなり「ペルソナ設計」というのもなんですので、ターゲット層についてブレインストーミングを行うことから始めましょう。あなたの理想の顧客は誰ですか?年齢、性別、学歴、仕事、収入、居住地、趣味、ライフスタイルなど、できるだけ具体的に把握しましょう。

それでは、ターゲットオーディエンスの例をいくつか見てみましょう。

日本でも圧倒的な「デザインツールといえば」のポジションを獲得した、オンラインデザインツールのCanvaは、フリーランスのデザイナーやデザイン愛好家、個人インスタグラム運用者を大きなターゲットグループとしており、これらのグループがどのようにツールを使用するかに分けて考えることができます。

例えば、Canvaのもう一つのターゲットオーディエンスの1つは学校の教師です。教材作りに忙しい教育現場で働くユーザーを対象としたキャンペーンをいくつも提案してきて、インフォグラフィック、ポスターやワークシートの作成をCanvaで行えるような施策を打ち出します。

2-1. ソーシャルリスニングも使ってオーディエンスが発するキーワードを取得する

ソーシャルメディアマーケティングでは、キーワードを制するものがマーケティングを制するといっても過言ではありません。

既存のオーディエンスはどのような「語彙」を使って、対象となるトピック、あなたの業界、あなたの商品カテゴリーについて話していますか?または情報、意見を発信していますか?マーケティングメッセージやキーワードリサーチに使用する語彙リストも得られます。

 

例えばですが、あなたがペット用品の通販サイトを運営していたとして、その商品やペットに関する情報をInstagramやYouTubeなどを通して公開していたとします。

あなたの使っている「語彙」は、世界中のペットオーナーが利用する言葉を同じく、親しみを持ってもらいやすいでしょうか?

ターゲットとする市場のパターンを認識できた時に、真にオーディエンスを理解しかけた時、といっても過言ではないでしょう。オーディエンスがよく疑問視すること、質問していること、話題にしていることをいくつかカテゴリー化しましょう。

Statusbrewのようなソーシャルメディアのエンゲージメントツール、リスニングツールを使えば、あなたのブランド、製品、業界に関する"話題" を簡単に見つけることができます。さらに、競合他社を少し覗き見るのにも使えます。競合ブランドや顧客からの苦情についてのメンションも見つけることができるかもしれません。

このようなツールの良いところは、トピックや特定のキーワードにタグをつけて数や傾向を精査し、自社のコンテンツ製作に活かせることです。

また、このパブリックメンション数こそが、あなたの現時点のオーディエンス分析の要素にもなるのです。

Googleアナリティクスでトラフィックソースを見つける

ソーシャルメディアプラットフォームで、オーディエンスはあなたのコンテンツを検索するためにキーワードを使用する可能性が高いので、ソーシャルメディアの投稿でそのキーワードを反映させることで、狙ったオーディエンスに到達ができます。

また、Google Analyticsは、ソーシャルメディアサイトを含むトラフィックがどこから来るかも示しています。最も頻繁に使用されているソーシャルメディア・チャンネルを確認し、これらのソーシャルメディア・チャンネルをターゲットにして、ソーシャル投稿を作成しましょう。

 

2-2. オーディエンスの規模を決定する

オーディエンスを理解したら、Facebook広告マネージャーを使用してオーディエンスのサイズを推定できます。たとえば、健康や栄養に関心のあるアメリカのメイン州の女性にリーチしたい場合、Facebookで62,000人がそのオーディエンスと一致していることがわかります。

オーディエンスが期待以上に小さすぎる場合は、内容を変更してオーディエンスを拡大する必要があるため、Facebookのターゲティングだけでも有効なツールです。反対に、オーディエンスが大きすぎる場合は、より狭いニッチをターゲットとして開始することをお勧めします。

もちろん、誰もがFacebookにいるわけではありませんが、Facebookの良いところは圧倒的な世界中のユーザーの細かなデータを保持していることです。

3. ソーシャルメディアのターゲット層にどのようにアプローチするか?

一番のテーマは、ソーシャル上でのエンゲージメントを構築し、ユーザーの購買意欲を高めるために、どのようなコンテンツを発信するか、になります。オーディエンスが最も簡単に情報を消費できるフォーマットを把握しなければなりません。

※引用: Sprout Social Blog "How to define and reach your target audience on social media"

Sprout Socialによると、消費者層がソーシャルメディアでブランドに求めることとして、次のことを挙げています。

57% 新製品やサービスについて知りたい
47% 企業ブランドのニュースについて最新情報を得たい
40% プロモーションや割引チケット
40% エンターテイメントを求めている

これまでのリサーチで、すでに作成したキーワード、トピックのリストを基礎として、リサーチ結果に関連するトピックのテーマを枝分かれさせ、コンテンツを整理しながら組み立てて投稿します。

4. リーチをどう計測するのか?

オーディエンスをセグメントに絞り込んだら、彼らの興味対象をターゲットにしたコンテンツを作りたいですよね。

例えば、特定のセグメント向けにブログ記事を更新して公開する、動画にする、ポッドキャストにしてみる、インフォグラフィック(図解)で説明する、その他のコンテンツを既に作成またはキュレーションしたとします。次に、そのコンテンツのパフォーマンスを確認し、適切な人々にリーチしていることを確認しましょう。

次のステップは、エンゲージメントをチェックしましょう。エンゲージメント、つまり反応率と日本語で呼ばれているものですね。

メルマガの登録者は増えていますか?ブログ記事は読まれていますか?動画の視聴率はどうでしょうか?あなたのコンテンツはどんどん拡散、共有していますか?購入(投稿を閲覧中または後日に)されていますか?

ソーシャルメディアは、ブランドの認知度にも大きく関わっています。リーチ = オーディエンスを呼び込む、さらには質の高いエンゲージメントを取得していきましょう。